能力を凌駕する採用の決め手は「人間性」/パック・エックス

2016.05.23 / 連載

[新連載第9回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
「採用の決め手となった人間性」

こんにちは。パック・エックス、キャリアアドバイザーの耳塚です。今週も転職のタメになる話をしていきたいと思います。

企業が人を採用するかどうかは、経験や年齢など基準はさまざまですし、時期や状況によって変わるものです。しかし、どのような方であっても最も重要な部分は「人としてどうか」つまるところ「人間性」なのだと感じます。

今回は、地方の企業で面接を受け、人間性によって内定を得たコバヤシさん(仮名)のお話をしていきたいと思います。

とある地方企業の面接に、私は同席させていただきました。そこでは、面接の際にかかる交通費を全額分負担してくれるため、応募者であるコバヤシさんが面接の際に往復分の領収書を提出する決まりとなっていました。

面接直後、採用担当者の方にコバヤシさんの印象を聞いてみると、「決して悪い感じではなかったけど、少々決め手に欠けるかな」と悩んでいる様子でした。すると、総務の方が来てこんなことを言うのです。「さっき面接を受けたコバヤシさん、領収書の金額で交通費をお渡ししたのですが、どう考えても安すぎるんです」

「もしかして、片道分だけ提出してしまったのかな」と思い、私はコバヤシさんに連絡を取りました。総務の方も、「往復分お渡ししますので確認してください」と言います。しかし、電話口でコバヤシさんは「往復分の領収書を出しました」と言っており、面接担当者・総務の方、そして私も「?」な状況でした。

東京に住むコバヤシさんが面接を受けに来ると、新幹線で数万円かかるはずなのに、明らかに安すぎる金額について調べてみました。どうやらコバヤシさんは新幹線を使わずにローカル電車を乗り継いで面接会場まで来られたのだと分かりました。新幹線を使えば1時間半で着くのに、約4時間かけて面接会場に行ったのです。

どうしてそのような手段を取ったのか、後日話を聞いてみると「企業様にご負担いただくので、せめて一番安く行こうと考えて在来線を使いました」とのことでした。

通常、面接直後の印象が良くなかった場合は、不採用となることが多いです。ところが、合否で悩んでいた面接官の方がこの事実を知った瞬間「内定」を決断されたのです。もちろん、コバヤシさんはそれを意図してやったわけではありません。しかし、相手のことを思いやる「人間性」が決め手となって内定を勝ち取れたのです。今回のケースは稀ですが、どれだけ優秀であっても人間性が良くなくては、採用に至らないと感じます。

「人間性」を良くしようとするほうがいいのは言うまでもありませんが、悪い印象を持たれないように努めることは最低限必要なのだと思います。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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