神保美佳コラム「美味しい缶コーヒーはいかがですか? ただし……飲めません!」

2017.11.08 / 連載

第82回神保美佳のマニアックコラム「パチンコグッズ・パラノイア」

パチンコやパチスロでは、新機種の発売と同時にホール用の景品も用意されることがよくあります。割と多いのが、余り玉用のライターやお菓子、そしてドリンク類。いずれも機種のロゴやキャラなどがプリントされていますが、もらう人のほとんどはその場で消費するか捨ててしまうか……いずれにしろ、お客さんの思い入れがある、といった商品でないことは確かでしょう。

そうした余り玉景品で、現在もおそらく最もよく見かけるのが「缶コーヒー」。そこで今回は、懐かしいモノをいくつか集めてみましたので(写真1)、それらを振り返ってみたいと思います。

写真2は、90年代に一世風靡した……といっても過言ではない、超人気機種の缶コーヒーたち。特に右の『CR大工の源さん』そして中央の『CRモンスターハウス』は、確変終了後も100回転の時短があるため、引き戻しによって爆発的な連チャンも期待できたことで本当に人気を集めていましたね。

そのすぐ後に登場した、左の『CRフィーバービッグパワフル』ももちろん人気がすごかったものの、ちょっとやり過ぎ感のあるCR機を危惧したのか、自主的に9回リミットを搭載。そして、写真には写っていませんがこの缶コーヒーには

「パチンコは明日も遊べるぐらいまで」

というキャッチフレーズが、さりげなくプリントされています。何となくやばい雰囲気が感じられる通り、翌年にはCR機の5回リミット規制が行われたりしてパチンコの危機が訪れてしまう……という流れに。こんなフレーズからも、当時がしのばれます。

そして時代は少し進み、写真3は2000年以降に発売された平和のオリジナル機種の、販促用缶コーヒー2種類。右は説明不要の『CR黄門ちゃま』後継機のもので、左は『CR開運銭隊縁起マン』という、七福神をモチーフにした機種のもの。いずれもポリゴンを用いたりギャグが満載だったり頑張ってはいたのですが、大ヒットとはいかなかったためか、ホールで置いてあるのを見たことはありませんでした。

最後の写真4は、マルホンから2003年に発売された『CRハイスクール奇面組』の販促コーヒー。紹介した中で唯一のタイアップ機種になりますが、この辺り以降は海シリーズ以外のほとんどがタイアップ機種の販促品であると思われますので、ターニングポイントの一つとしても位置づけられるかもしれません。
 
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神保美佳(じんぼ・みか)

1990年、パチンコ好きが高じてOLからパチンコ業界誌記者に転身。93年にフリーとして独立。以降、「パチンコ必勝ガイド」やスポーツ新聞、一般誌、業界誌などで活躍。パチンコ関連グッズコレクターとしても有名で、これまでにパンフレットや遊技機の部品、展示会のお土産など数千点を収集。著書に「パチンコ大図鑑777」(白夜書房)、「パチンコ年代記」(バジリコ)など。ブログ「Pachinko MANIAC WORLD別館〜気まぐれ日記〜」も随時更新中。

第82回神保美佳のマニアックコラム「パチンコグッズ・パラノイア」