神保美佳コラム「たとえ換金できてもしたくなーい!」

2017.05.08 / 連載

第70回神保美佳のマニアックコラム「パチンコグッズ・パラノイア」

つい先日、ちょっと気になるニュースを目にしました。最近急速に普及している「フリマアプリ」にて、パチンコの換金商品が出品禁止になった…というものです。それ以前にも「現金」とか「チャージ済みの鉄道系ICカード」なども出品禁止になっているようで、その理由はいわゆるマネーロンダリング防止のためだそうです。ということは、おそらくチャージ可能なパチンコのプリペイドカードなども出品はダメということになるのでしょう。

マネロンという行為自体、我々の生活とはほど遠い上に何やら怖いイメージもあったものの、案外こういう手軽な場面ではびこっているのに改めて驚きます。しかし、我らがパチンコ業界の共通プリペイドカードは今から27年ほど前、健全化を旗印に導入が開始された経緯がありました。

というわけで、今回は改めて今となっては幻に近い存在となった、初期の「パッキーカード(※ICタイプ以前の、磁気カード)」を集めてみました。パッキーカードは主に東日本で流通していたもので、当初はシステムが導入されているホールなら全国どこでも使える…というのが売り文句でした。写真1がレギュラーで普及していたデザインですが、犯罪対策が進むにつれてラインや模様が入ったり地区別に限定されたり、どんどんデザインが変わっていきましたね。

写真2は、非売品のパッキーカード。パチンコ業界では何度か大きな合同展示会が開催されていますが、これらはその会場限定で発行されたカードになります。特に中央の「'91パチンコ博」と書かれた金色のものは、市場投入前のカード式遊技機見本機(のちにCR機と名付けられる)専用のカードでしたので、今となってはけっこう貴重なものであるかもしれません。

そして写真3は、こちらも非売品ですが何かの販促として作られたパッキーカードになります。私が持っているほとんどが「実機シミュレーションゲーム」や「パチンコの実機」そして「ホール」の販促品になり、展示会やイベントなどで配布されたもの。ゲームでは今では懐かしいスーパーファミコンやセガサターン向けソフトのものが多く、それもまた時代を感じさせます。

さて、こうしたカードはもちろん現在ホールで使うことができませんし、金券ショップでの買取も不可。唯一、カード会社に送れば換金できるようですが…やはりマニアとしては、換金などとんでもない! 時々取り出してニヤニヤ眺めるのが、一番有効な使い道となっているのです(笑)。

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神保美佳(じんぼ・みか)

1990年、パチンコ好きが高じてOLからパチンコ業界誌記者に転身。93年にフリーとして独立。以降、「パチンコ必勝ガイド」やスポーツ新聞、一般誌、業界誌などで活躍。パチンコ関連グッズコレクターとしても有名で、これまでにパンフレットや遊技機の部品、展示会のお土産など数千点を収集。著書に「パチンコ大図鑑777」(白夜書房)、「パチンコ年代記」(バジリコ)など。ブログ「Pachinko MANIAC WORLD別館〜気まぐれ日記〜」も随時更新中。

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