異臭騒ぎの原因はタバコだったが…

2019.07.14 / コラム

ホールで異臭騒ぎがあり、気分が悪くなったおばあさんが救急車で運ばれる“事件”が起こった。

その臭いとは鼻をつんざくような刺激臭ではなく、甘ったるい香水のような強烈な臭いだが、香水ではなかった。半径20メートル以内の常連客が気づき、従業員もその臭いをかいだが初めての臭いだった。

その臭いがどこから発生しているのかは分からないままに、おばあさんが台にうつ伏せていることに従業員が気づいた。どうやらこの臭いで気分が悪くなったようだ。

急いで救急車を手配した。

異臭がして気分が悪くなったお客さんが出てということで、消防署の方からも空気を採取に来るほどの大事になった。後日、採取した空気の中には毒性のものは含まれていないことは判明した。

ほとぼりが冷めた頃、一人の常連客が「見かけない若い兄ちゃんが、紙の部分がこげ茶色のタバコを吸っていた。あのタバコが原因じゃないかな」と従業員に教えてくれた。

原因を特定するために、従業員がタバコ専門店に足を運んで、それらしきタバコを探した。すると、似たタバコを買って試したところ、あの異臭騒ぎの時と同じ臭いがした。異臭騒ぎの原因はタバコだった。

匂いの問題で最近世間を騒がせているのが、洗濯に使われる柔軟剤の香りだ。本人は気にいって使っていても、他人は「気分が悪くなる」「鼻やのどが痛くなる」とトラブルが頻発している。

衣類そのものに香りが染み込んでいるので、その香りが嫌いな人には不快になるだけだ。マンションのベランダで柔軟剤入りの洗濯物を干して、上の階の住民から苦情が来たケースもある。

ホールの異臭騒ぎに話を戻すと、この時は危険な刺激臭ではなかったので、ホールは避難措置を取らなかったが、万一、甘い香りの毒ガスだったら、どうしただろうか、とその後ホールで話し合った。

ホールで客を避難させる場合、後で大変なトラブルになることもある。これは爆弾騒動で実際にあった話だ。

警察の名前を騙った1本の電話が、ホールに入った。
「こちら●●警察署です。爆弾を仕掛けたとの通報がありましたので、速やかにお客さんを避難させてください」

警察ということで何の疑いもなく、店長はお客を避難させたのだが、これが後からイタズラ電話だったことが分かる。

時間帯は夜のピーク時間を迎えている頃で、店内は賑わっていた。遊技を中断して避難させたことから、一部の客が「補償しろ」と騒ぎ出した。それで一部の客に補償したことから、関係のない者までが、ケータイで仲間を呼び寄せ、店を不法占拠する始末となった。

所轄に電話を入れたが巡査では排除できない。それで本署に駆け込んだら、刑事課が出てきて、やっと収めることができた。

お客さんを避難させる場合は、予めそうした補償問題も含めた社内規定を作っておかないと大変なことになる。

お客さんもカネがかかっているので理性を失う。





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