業界総粗利規模は3兆3200億円と過去最低/DK-SIS白書2015

2016.07.14 / ホール

7月13日、ダイコク電機は「DK-SIS白書2015」の発刊記者発表会を、東京都・東京ドームホテルで開催した。

「DK-SIS」は、同社製のホールコンピューター導入店から収集したデータを提供する会員制サービス。このデータを年間で統計し、「DK-SIS白書」として年1回発行し、今回で13回目となる。

冒頭では、同社の根本弘常務取締役があいさつ。今回の発刊について、「パチンコ業界はここ数年、どこに行っても『厳しい』という言葉が氾濫しています。今回の白書においても、過去最低稼働という言葉が何度も登場しています。今回発表する『DK-SIS白書』は、言い換えればファンの遊技結果ではないかと思います。その数値を真摯に受け止めなければなりません。この白書がファンの声として認識され、業界の活性化に役立てばいいなと思います」と語った。

続いて同社DK-SIS室の山岸義幸室長が、白書の概要を説明。今年度のポイントとして「業界総粗利の下落に歯止めかからず」「1000台以上の店舗が増加し、大型化が顕著に」「全国的に進む損益分岐割数の引き上げ」などを挙げ、データを参照しながらそれぞれ解説した。

山岸氏はまず、業界総粗利規模が3兆3200億円と過去最低を記録した点を指摘。遊技機利益規模も2兆2600億円と同じく過去最低となったことと合わせ、「業界粗利の減少分が、そのまま遊技機利益の減少につながった」と解説した。また、遊技機購入費が去年とほぼ変わらない点については、「新台の販売が伸び悩む一方、中古機やリユース機の活用が進み、全体的な売上を維持しているのでは」と推測した。

次にパチンコの営業方針について、粗利規模が1600億円減少、4円パチンコの台数が8万台減少という結果を踏まえ、高射幸性機撤去後の戦略を解説。「今後撤去されるMAXタイプのファンは、ミドルタイプで吸収することが理想的です」としつつも、「MAXタイプの性能に慣れたお客さまを取り込むのは、短期間では不可能。中~長期的な戦略をとるか、ライトなどの別タイプへ誘導しなければなりません」と説明し、一つの機種にこだわらない柔軟な対応が必要だと説明した。

最後に、パチスロの動向について説明。山岸氏は「全体的な業績は下落しているが、パチンコに比べればまだ好調。総遊技機台数シェアも前年比で0.5%上昇している」とした上で、今後の機種構成について解説した。中でも、ノーマルタイプの増台には注意が必要と指摘。「ノーマルタイプは安定して運用できるが、シェアを増やしすぎるとお客さまが分散し、店舗のイメージダウンにつながります。増台の際には店舗の規模や予算と相談し身の丈に合った戦略をとることが重要です」とアドバイスした。また、今後注目すべきタイプとして、「最近は往年の名機にRT機能を追加した機種が人気となっている。出玉性能ではなく遊技性能を高めるという意味で、A+RTタイプが必然的に増えていくと思います」と予測した。

写真1は冒頭の挨拶をする根本弘常務取締役
写真2は白書の説明をする山岸義幸DK-SIS室長
写真3は業界全体の動向データ
写真4はパチンコ全体の動向データ
写真5はパチスロ全体の動向データ

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