桜を見る会問題で業者選定は横一線に?

2019.11.30 / コラム

IRカジノの工程表が発表された。



それによると、カジノの総本山となるカジノ管理委員会が設置されるのは2020年1月7日。そこから基本方針が公表されるのは1月末。これを下にIRを誘致したい自治体は事業者を公募して選定。地域整備計画を作成し、認定申請を国に提出するのが2021年1月~7月。国が申請書を審査しGOサインを出すのが2021年内。

晴れて認可されてもすぐに着工はできない。環境アセスメントや都市計画手続き等で1年から1年半を要する。晴れて着工できるのは早くて2023年。建設工事期間を3~4年とすれば、最速でも2026年、ということになる。

万博と一緒に開業したいのが最有力候補の大阪。2025年5月3日~11月3日まで大阪の夢洲で開催される大阪万博にはどうみても間に合いそうもない。それでも大阪市の松井市長は大阪万博開催前のIR開業を目指すことを実施方針案に盛り込む。

万博の想定来場者数は約2,800万人で、そのうち約350万人は海外からの来場を見込む。市幹部は「万博の来場者にIRにも来てもらえれば良いPRになる。IR目当ての観光客も万博に呼び込める」と相乗効果に期待する。

ただ、万博とIRが同時開業というのは、工期がタイトな上、資材の到達などもあり非常に厳しい状況だ。

大阪が焦っているこのぐらいにして、カジノオペレーターもまだ決定もしていない中で、自民党筋によるとオペレーター側からの要求として、日本人客を集客するためにはどうしてもパチンコ・パチスロに似たゲーミングマシンの開発が望まれている、という。慣れ親しんだ機械がある方が取っつき易いためだが、これも国際ライセンスを取ったりするには実際にカジノにマシンの納入実績があるメーカーに一日の長がある。

そんなことよりも、この自民党関係者は口利きが一切できなくなったことを警戒する。

「モリカケ問題がやっと沈静化されたかと思ったら、今度は桜を見る会問題で安倍さんは窮地に立たされています。安倍さんとトランプの約束でラスベガス・サンズは決定済みのように思われていますが、これもすべて白紙の横並び。特に安倍さんと関係が目されている企業はやりにくくなったと思いますよ。これで公平な競争になる」

それだけではない。候補地として手を挙げている東京は、来年の都知事選で小池知事の対抗馬にカジノ反対派を擁立する動きが水面下で行われているという話もある。東京は財政が豊かなのだからわざわざ東京に作る必要はない、と考える都民も少なくない。









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