日本進出を狙う海外カジノ〜その1〜

2014.07.10 / カジノ

第1回三井・フジ・鹿島と提携か!? アメリカ最大の「シーザーズ」

超党派の議員連盟が昨年提出した通称・IR推進法案が前回の国会で審議入りを果たし、日本がカジノ解禁に向け一歩近づいた。国内のさまざまなメディアがカジノ関連の報道を行うなかで、日本進出を狙う海外のカジノ運営企業の名を報じることもしばしばだが、我々にとっては馴染みのない企業ばかりだ。そこで今回から、日本進出を目指す海外のカジノ運営企業を1社ずつ紹介し、その実力を明らかにしていく。第1回は、75年の歴史を持つ米国最大のカジノ企業、シーザーズ・エンターテイメントだ。

シーザーズ・エンターテイメント(以下シーザーズ)は、米ラスベガスやアトランティックシティなど米国を中心に、世界各地で50以上のカジノリゾートを運営する全米最大のカジノ運営会社。地上カジノのみならず、英国ではリアルマネーによるカジノゲームやビンゴなどオンラインゲーミングを提供している。

しかし、同社はいまだアジア進出しておらず、マカオなどで好調な業績を上げるラスベガス・サンズやウィンに遅れをとっている。2008年のリーマンショック以降、米国のカジノは大きな打撃を受けたが、マカオに進出していた企業は立ち直りが早かったが、アジアシフトを実現できなかったシーザーズは、昨年の段階でも依然として約200億米ドルの負債を抱えたままだ。財務状況に不安を残す一方で、先日の米メディアのTVインタビューに出演したCEOのゲイリー・ラブマンは「(日本への)投資規模は少なくとも50億ドル(約5090億円)」としたうえで「資金調達は困難ではない」と強気のコメントを発している。資金の一端を担うであろう日本の提携企業として、フジメディアホールディングス、鹿島建設、三井不動産とも協議を行っているという。6月末には、ラブマン氏が松井大阪府知事を表敬訪問するなど地方自治体への働きかけも盛んだが、ライバル社にくらべ売上や株価も横ばいを続ける同社にとっては、日本進出は社運をかけた至上命題ということだろう。 日本以外の動きでは、今年3月にインドネシアの華僑系企業リッポーグループとの合弁による韓国・永宗島でのカジノリゾート開発の予備審査を通過。ついにアジア進出への足掛かりを得た。平昌冬期オリンピックが開催される2018年までに、約700億円を投じて同地で外国人専用のカジノリゾートの開業をめざす。

■主な運営施設  ・シーザーズパレス/ハラーズ/バリーズ/プラネットハリウッドなど全米に42軒  ・米国以外では英国、南アフリカ、エジプト、ウルグアイなどに12軒 ■売上規模(2013年)/85億7000万米ドル(約8700億円) ■従業員数/約6万7187人 ■ホテル客室総数/4万2710室 ■カジノテーブル総数/3,595台 ■スロットマシン総数/5万6950台

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