休眠口座の手数料問題とホールの会員カード

2019.12.25 / コラム

三菱UFJ銀行は2年間入金や出金などの取引がない不稼働口座について、年間1200円の手数料を取ることを検討していることがニュースになった。対象となるのは、2020年の10月以降に開設した口座となる。

口座の維持には、通帳の印紙代、人件費、システム運用などで年間2000円~3000円ほどコストがかかるという。銀行は長引く低金利で収益が悪化しているため、少しでも負担してもらいたいという考えだ。

預金者が大変なのは手数料問題だけではない。銀行口座の預金にも「消滅時効」がある。

最後の取引または最後の満期日等から、銀行の口座の場合は5年、信用金庫や労働金庫は10年と定められている。

実際のところは消滅時効後の払い戻しにも対応している銀行がほとんどなので、それほど気にすることはないと言われていたが、2018年1月に施行された「休眠預金等活用法」により、国は10年以上取引のない預金等を、民間公益活動に活用できるようになった。

10年以上口座を放置していると、「休眠預金」は、知らぬ間に公益活動に使われてしまう場合がある。身寄りのないお年寄りが死んだ場合のどの休眠預金などがその対象になりやすい。

三菱UFJ銀行の休眠口座の手数料問題を受けて、ホールの会員カードの見直しを図る動きもある。1年以上来店していない会員カードを洗いなおしてみたところ、金額ベースで70万円以上も貯玉しているにも関わらず、来店していない会員がいることが分かった。

年齢的にも来店できないことが想像できる。

ホールが閉店した場合、貯玉は一般社団法人貯玉補償基金によって補償されるが、現金には換金することはできず一般景品との交換になる。補償上限はパチンコ25万個、スロット5万枚で金額ベースでは100万円。カタログ景品の中にさして欲しいものもない。

首都圏直下型地震が起これば都内のホールも壊滅的な状況に陥ることは容易に想像できる。その時、貯玉していても簡単には引き下ろせない。そういうことを遊技者の立場で考えると今後は貯玉しない方がいい、という考えも出てくる。

休眠口座の手数料問題は会員カードを見直す機会を与えてくれたことになる。

「ウチは会員化率をアップするために、手数料を取らずに貯玉再プレイに上限を設けていません。会員化率は上がったものの、再プレイ率が上がり売り上げも上がりません。手数料をいくらに設定するかが改善点になっています」(ホール関係者)

ホールが閉店したら一般景品としか交換できない。大地震が起こればすぐに貯玉を引き出せない貯玉システムを今後どうすべきか。







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