三木流「期待の北斗を大検証」

2015.07.19 / 連載

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー

皆さんこんにちは!!58回目の連載になりました。今回は9月発売のサミーの「北斗の拳~強敵~」についての感想です。注目度も高く今後のスロット業界の今後を左右するともいわれるこの機械、注目が非常に高いようです。

<感想>

専用筐体で、北斗七星のランプと液晶手前に飛び出す十手型の回転役物、液晶下部には北斗カウンターや上乗せの表示に使用する3ケタのナナセグが搭載されていますがオーソドックスな筐体です。

演出は通常時は北斗世紀末に似ており、北斗の拳シリーズお馴染みのもので、レア役で北斗カウンターが発動します。AT中のステージは北斗転生に似ており、通常時、AT中を通じて全て馴染みのあるもので、目新しさはないのですが分かりやすさ、安心感がありました。押し順によるペナルティが無い仕様なので、中押しなどの変則押しも楽しめ、北斗らしさを味わえます。

スペックは千円ベースが高く、純増枚数も多いタイプで、その分、初当り確率が重くなっています。天井も1600Gなので、当たりが重い印象は拭えません。それでもベースは高いので、初当たりまでに要する金額は北斗世紀末と変わらず、平均MY、コイン単価も同等なので出玉バランス、出玉感なども同程度と予想できます。北斗世紀末より純増枚数がアップしているので、AT継続ゲーム数はダウンしているはずです。 通常時は今までの北斗の流れに、さらにチャンスゾーンが2種類搭載され、飽きさせない仕様で間持ちをするようになっています。チャンスゾーンも期待感が分かりやすく、楽しいゲーム性でした。

ATの連チャンの基本は継続率で、バトル勝利時の枚数上乗せはそれほど大きな枚数は期待できません。爆発のトリガーが、北斗揃いかSPエンディングからの「北斗乱舞」しかなく、大連チャンは起こりにくい印象です。今までに登場した新基準の麻雀物語、デビルサバイバー、バイオハザードなども一撃での差枚数は旧基準に比べると劣っており、本機も一撃万枚などは難しい設計値だと思われます。

キャラクター、ゲーム性など欠点が見当たらず高評価ですが、唯一の懸念材料はその出玉性能で、ギャンブルとしての中毒性が不足しているイメージです。1セット目は最低100枚ですが、2セット目以降は最低50枚となり、2~3連で200枚程度しか獲得できないことも多々あるのではないかと心配です。直近で高稼働している新台のバイオハザードも演出やゲーム性は抜群なのですが、やはり出玉感や一撃性が弱くギャンブル好き層には物足りないスペックでした。

新基準機自体がそういった低射幸性だから仕方ないのでしょうが、旧基準機が現役で稼動している現状では、そのギャンブル性の低さに慣れるのに時間がかかりそうです。それでも今までの北斗シリーズを好きなお客様は間違いなく楽しめるよくできた新台でした。初期販売台数が65000台。その後、11月末までに新店などの需要に応えて5000台ぐらいは増産可能とのことです。

本来なら結果次第で追加増台をしたいのですが、売り切りなので初めから多めの台数を買わざるを得ません。メインになりえる新台なので、最低でも総台数の5%は導入しておきたいところですが、出玉性能の面で不安もあり、最大で総台数の10%までに控えておいたほうが無難ではないでしょうか。いずれにしろ欠点が見つからず、大コケしない無難な作りにしているといった印象ですが、大ヒットする材料も探しにくいという点で、賛否が分かれる機械といった印象でしょうか。

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三木貴鎬

1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、 2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナー や講演会を行う。

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