三木流「南国物語」の評価は?

2016.02.05 / 連載

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー

皆さんこんにちは!!86回目の連載になりました。今回は、オリンピア製「南国物語」(納品3/27~)の評価です。15年前に登場したノーマルAタイプの30パイ機が、擬似ボーナスATタイプとなって復活。昔は32G連の裏物が流行した台でしたが、本機はそのゲーム性に似せて作られました。

 <ボーナス>
擬似ボーナスのみのAT特化タイプ
■BIG:70G継続、203枚
■REG:20G継続、58枚

<ボーナス確率>
■ボーナス初当たり確率
設定①:1/323
設定②:1/318
設定③:1/304
設定④:1/294
設定⑤:1/276
設定⑥:1/244

■出玉率
設定①:97.1%
設定②:98.2%
設定③:100.4%
設定④:103.2%
設定⑤:107.0%
設定⑥:110.3%

<通常時>
ベース:46G/50枚
天井:759G or 999G(振り分け、1:1)
コイン単価:3.0円(設定①)

■初当たり比率 BIG:REG=1:9
AT純増2.9枚/G
■BIG:70G継続、203枚
■REG:20G継続、58枚

■ときめきゾーン
初当たりREGに突入するチャンスゾーン
32G継続、ボーナス高確率ゾーン
前半8Gが特に熱い
ボーナス期待度30%

■蝶ときめきゾーン
ときめきゾーン中のボーナス後または、通常時のBIG後に突入
32G継続、ボーナス高確率ゾーン
前半8Gが特に熱い
ボーナス期待度80%
蝶ときめきゾーン中はBIG比率65%

■ゴールドセブン(ボーナスストック)
BIG中の抽選でボーナス
ボーナス終了後、BIG1G連確定

■ドリームカウントアップ(3ケタ上乗せ)
BIGボーナスの一部でG数がカウントアップ。
ビンゴのような111G、222G、333G・・・・でのスタート。
出現率はプレミアム扱いで2~3日に1回ぐらいとの噂。

■プレミアムフリーズ
ドリームカウントアップ
BIG1個以上ストック
90%ループの蝶ときめきゾーン
以上の3種全て確定のフリーズ

■スペシャル南国モード
1/36でボーナスをストックする内部モード
遅れて(小遅れ除く)ボーナス否定すれば、スペシャル南国モード確定

<感想>
筐体は「ルパン三世」「ガルパン」と同様の下パネルも液晶のタイプですが、リールはノーマルのものが搭載されています。筐体の中央上部にはお馴染みのパトランプも搭載。液晶演出は、通常時は固定の海背景でゾーンによって背景色が変わるだけで動きはなく液晶無しの告知機と変わらぬイメージです。

告知方法は選べる3種類。「キュイン告知」「蝶ランプ告知」「ブラックアウト告知」の3パターン。キュイン告知はキュインと鳴ってパトランプが回る告知で、チラッと無音で光る前兆告知もあります。蝶ランプ告知は液晶左右の蝶が光れば、大当たり。ブラックアウト告知は、液晶画面が急に真っ暗に消灯すればボーナスが確定します。

スペックは高ベース、高純増のAT特化タイプ。初当たりはREGボーナスがメインでその比率は90%。初当たりREG後には32Gのチャンスゾーンに突入し、そこでボーナスに当選(期待度30%)すれば、ボーナス後、80%ループのチャンスゾーンに移行します。連チャン中のBIG比率は65%で、1G連を含めると70%~80%がBIGボーナスとなり出玉は加速します。

アクロスの「沖ドキ!トロピカル」は、初当たりREG後の32Gは特にチャンスゾーンではなく、初当たりで直接BIGを引かないと天国ループには移行しません。それとは対照的に本機は初当たりREG後の32Gが熱く、REGのたびに“チャンス到来”という気持ちになることができます。

 ただ、初当たり確率は1/328(設定①)と重く、沖ドキの1/242(設定①)、沖ドキトロピカルの1/237(設定①)と比較しても、そのチャンスの数自体が少ない印象です。告知機で初当たりが1/328というのは過去に例がなく、今までの南国シリーズ、「島唄」「島娘」のパトランプ系機種は全て1/240前後の初当たり確率だったので、その初当たりの重さが心配です。

BIG当選までの平均投資は実は「沖ドキ」「沖ドキトロピカル」「南国物語」ともに2万円程度とほぼ同じで、連チャン中の出玉性能もほぼ同等となっており、違うのはその初当たりBIGまでのプロセスだけです。「南国物語」は初当たりが重いので、トータルでのBR比率はBIGが上回るか1:1程度と予想されます。

「沖ドキ!トロピカル」は終日稼動しても、BR比率でBIGが先行する台は少なく、「REGばっかり」というイメージがありますが、「南国物語」はデータ上は普通のAタイプのようなBR比率となり印象は良さそうです。

フリーズや3ケタ上乗せなどの爆発のトリガーが確率こそ低いものの搭載されていることで、一撃の夢が膨らみます。欲を言えば、「沖ドキ!」のドキドキランプのような、90%ループが目に見えるような仕組みにして欲しかったものです。

今週導入された「沖ドキ!トロピカル」の初動を見ると、初当たりがREG中心のゲーム性は、「島唄」や「島娘」など過去にも主役にはなれなかった歴史があるので、その辺が懸念点です。

ただ、バラエティーでは活きない台なので、シマを構える必要がありそうです。店舗の規模に関わらず導入するなら4~6台程度からがベストでしょうか。地域によって、販売条件は様々なようで、納期も入替自粛前まで、段階的に導入されていくようです。

トップ導入にこだわる台ではないと思いますが、3週以上遅れるようであれば再度検討することも考慮に入れるべきかもしれません。逆に、稼動が良ければ、7/31までは増産して順次販売されそうとのことなので、結果を見て後追い導入するのもアリです。

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三木貴鎬
1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナーや講演会を行う。

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