三木流、秘宝伝Revの評価は?

2018.04.06 / 連載

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー 第198回目

今回は大都製「秘宝伝Rev」(納品5/20~)の評価。

秘宝伝シリーズの第6弾となる新台が5.9号機となって登場。5.9号機のART機が苦戦を強いられている現状、導入すべきか試打してきた。

<ボーナス>
■BIGボーナス:150枚
■MIDボーナス:150枚
■REVボーナス:90枚

<確率&出玉率>
■ボーナス+ART合算確率
設定①:1/201
設定②:1/195
設定③:1/187
設定④:1/177
設定⑤:1/169
設定⑥:1/157

■出玉率
設定①:97.9%
設定②:99.6%
設定③:101.1%
設定④:103.4%
設定⑤:106.4%
設定⑥:110.2%

<通常時>
ベース:31G/50枚
コイン単価:2.7円(設定①)

■高確率(CZ)
15G or 30G or 無限
ART突入率:50%

<ART>
純増:1.4枚/G
ライフが無くなるまで継続するタイプ

■秘宝QUEST(通常ART)
ART中はダンジョンマップを1Gに1コマずつスゴロクのように進んでいく。
ゴールに到達すると、ベロベロプライズチャンスに突入。
ベロベロプライズチャンス終了後は、新しいダンジョンへ。

■ベロベロプライズチャンス
ガチャ抽選でのアイテム獲得ゲーム
ART中に集めた秘宝石の数だけガチャガチャができアイテムを獲得。
秘宝石を10個貯めると10連ガチャとなり、レアアイテムが出現しやすいおまけガチャ1個追加。

■秘宝バトル
バトル勝利で超秘宝QUESTへ

■超秘宝QUEST(上位ART)
1セット50G
アイテム使用なしで、秘宝石大量獲得ART

■PYRAMID FORCE
1セット10G
ライフ減算ストップのアイテム獲得特化ゾーン
 
<感想>
「押忍!番長3」と同様のサブ液晶付き全面液晶の筐体を使用。大都のこの筐体の液晶演出の出来は、サブ液晶が搭載されているかどうかの違いに大きく左右される。そのため、サブ液晶が非搭載だった「盗忍!剛衛門」の液晶演出は、どうしても見劣りしたと感じた。本機は、今までの秘宝伝シリーズの液晶演出を踏襲しつつ、筐体の良さによって、さらに大幅にパワーアップされた完成度の高い液晶演出となっている。

スペックはA+ARTで、出玉のメインはART。ARTのシステムが特徴的だ。ARTはライフポイント制で、ライフがなくなればARTが終了する転落抽選に近いシステム。

初期のライフ数は5つ。3択か2択の押し順当て発生時に失敗するとライフがひとつ減り、全てのライフがなくなるとARTが終了する。

ART中は毎ゲーム1コマずつ、スゴロクのようなマップを進み、マップのゴールまでたどり着けば1セット終了。セットの区切りのガチャガチャ演出でアイテムを獲得し、その後、新しいマップで次のセットがスタートする。

ART中はレア役など様々な契機でアイテムを獲得。アイテムは「特化ゾーン」「進むコマ数が倍」「転落回避」「ライフ増加」「ART復活」「秘宝石(ガチャ券)」などがある。「秘宝石」のみ、ゴールにたどり着かないと使用できない仕組み。ゴール後のガチャガチャ演出では、秘宝石の数だけ抽選で色々なアイテムを獲得できる。秘宝石が10個貯まっていれば、10連ガチャとなり、レア度が高いガチャが1回追加される。

これらのアイテム獲得、ガチャの仕組みは非常に面白く、ART消化中は楽しみながら消化できた。アイテム獲得の頻度も高く、アイテム特化ゾーンでは、秘宝石を大量獲得できレアアイテムの期待感が高まる。スマホゲームの10連ガチャのイメージに近く、のめり込む要素を感じた。

ただ、派手な演出でガチャやアイテムを大量獲得しても、その一つずつの価値が小さく「いろいろな演出が発生したのに出玉はこんなものか」と、演出の派手さと実際の出玉が釣り合わない印象を受けた。さらに、5.9号機なので有利区間には上限があり、上乗せのイケイケ感が活かしきれないのは言うまでもない。もし、本機が純増3.0枚の旧基準機だったら大ヒット機になっていたかもと思うと、残念でならない。

また、各種確率が「ボーナス+ART合算確率」しか発表していないところにはメーカーの意図を感じる。ART純増はボーナス込で1.9枚/G、ARTのみで1.4枚/G。これから逆算すると、おそらくボーナス確率は1/280~1/300と考えられ、設定①の合成確率からARTの初当たりは1/600~1/700と推測される。

ARTの初当りが非常に重く、千円ベースも低いので初期投資が嵩みそうな設計値。もちろん、その分、ARTが即終了することが少ない出玉分布で1,000枚~1,500枚の獲得が多くなるようだ。

天井もなく現金投資も嵩むのに、出玉には有利区間1500Gの上限があり、やはり5.9号機のART機に対するプレイヤーの印象は良くない。ゲーム性は面白いが、スペックバランスが悪くヒット機とはならないだろう。実はARTのシステムが「スターオーシャン」に似ていることも心配ではある。

販売台数は8,000~10,000台。
演出の作り込みがよく、バラエティーには確保しておきたい新台だ。

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三木貴鎬(みき・たかし)

1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、 2007年に株式会社エスサポートを立ち上げ独立、経験を生かしてコンサルタントに転身する。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナー や講演会を行う。info@slot-support.co.jp

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