三木流、ディスクアップの評価は？

初代は2000年に登場した大量獲得＆ARタイプで、マニアに人気の名機だった。18年ぶりに登場するシリーズ最新作は、導入する価値があるのか試打してきた。


＜ボーナス＞
■同色BIG：最大251枚
■異色BIG：最大251枚
■REGボーナス：最大103枚

＜確率＆出玉率＞
■BIG合算確率
設定①：1/289
設定②：1/287
設定⑤：1/281
設定⑥：1/273

■REG確率
設定①：1/497
設定②：1/458
設定⑤：1/443
設定⑥：1/423

■ボーナス合算確率
設定①：1/183
設定②：1/177
設定⑤：1/172
設定⑥：1/166

■出玉率（予測値）
設定①：98.9%
設定②：100.3%
設定⑤：103.3%
設定⑥：107.2%

■出玉率（完全攻略）
設定①：103.0%
設定②：104.3%
設定⑤：107.2%
設定⑥：110.0%

＜通常時＞
ベース：32G/50枚（設定1）
コイン単価：2.6円（設定1）

＜RT＞
現状維持タイプ

■DJゾーン（RT）
同色BIG中に1/3で発生する演出時に、中リールのビタ押しに成功するとDJゾーンのG数を獲得。ダンスタイム後または、同色BIG後に突入する

■ダンスタイム（RT）
同色BIG後に1/2で突入するRT
1セット20G以上


＜感想＞
本機はオーソドックスなサミーの筐体だが、上部液晶はなくリール左側にドット風の縦型液晶が搭載されている。初代ディスクアップは、ドット液晶がリールの右側だったので、どうせなら同じ右側に配置して欲しかった。

リール配列、ボーナス絵柄、効果音など、初代ディスクアップを継承していて「ストップボタンの停止音」や「ビタ押しでのジュワン」など懐かしく感じるものだった。通常時のドット演出はほとんど発生せず基本的にはリーチ目で楽しむタイプで、リーチ目出現後にドット演出が発生することが多かった。

スペックはA+RT。同色BIG中に1/3で告知音が発生し、その時に中リール下段に青7をビタ押しして成功すれば、BIG後に突入するRT（DJゾーン）のゲーム数を獲得できる仕組み。

ビタ押し成功1回につき、5G～10GほどのRTが獲得できる。もし、全て成功すればRTは約50Gぐらいだろうか。このビタ押しで獲得するRT以外にも、同色BIG後に抽選で1/2で突入するRT（ダンスタイム）も搭載されている。

同色BIG後に1/2に当選しダンスタイムに突入すれば、ダンスタイム消化後にDJゾーンへ移行。同色BIG後の抽選にハズレた場合は、直接DJゾーンへ移行する。RT獲得の技術介入以外にもBIG中、REG中ともに目押しによって獲得枚数を最大に調整する必要もあり、その手順を全て覚えるだけでも面倒な印象だった。

設定は4段階で、ボーナス確率の設定差は小さいので、千円ベースの設定差が大きいのか、高設定域だけ特別なロングRTに突入しやすいのか、ボーナス確率以外に大きく優遇されている何かがあるはずだろう。いずれにせよ、データ表示器のボーナス回数、確率だけでは設定を判断しにくい台ではある。

気になるのは、フル攻略時の設定1の出玉率が103.0％ということ。メーカーいわく、実際には98～99%に落ち着くとのことだが、さすがにフル攻略時の103％は高すぎで、客レベルによっては利益がまったく取れないなんてホールもでてきそうだ。

フル攻略で出率が100%を超えるような甘い台は過去にもあった。が、その甘さがその台の稼働向上にはつながっていない。こういう甘い台でも、プレイヤーからすれば「どうせ設定1だろう」「1日打ち切っても理論上1000円しか勝てない」など意外と現実的な発想しか生まれないものだ。

本機は初代ディスクアップからの継承、進化をアピールしているが、実は5号機初期に「ディスクアップオルタナティブ」という大コケしたシリーズ第2弾があったことはもうみんな忘れてしまっただろう。それに、初代ディスクアップは大量獲得かつ2000GのロングARを搭載していて、本機とはスペック的にもかけ離れた名機だった。昔のディスクアップファンが打ってくれることを期待するのは見込み違いだろう。

大型店ならあってもバラで1台。

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著者プロフィール　三木貴鎬（みき・たかし）

1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、 2007年に株式会社エスサポートを立ち上げ独立、経験を生かしてコンサルタントに転身する。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナー や講演会を行う。info@slot-support.co.jp