一物二価が議論されないワケ

2020.01.14 / コラム

2011年10月から一物一価の指導が徹底されて以降、業界は真綿で首を絞められるがごとく衰退の一途を辿っている。スロットの等価交換に合わせてパチンコも等価にしたことが、回らないパチンコを助長させた。

日報ではこれまでに一物二価を認めてもらうことが業界の復活の手掛かりになると、これまでに、一物二価に関するエントリーを40本近く書いている。

県警OBがホール企業へ再就職してオーナーから色々な相談事を受けている。その中でオーナーが節に願っているのが「一物一価の緩和」だと言う。

「遊技機の規制緩和はむしろ望んでいません。オーナーが望んでいるのは一物二価を認めてもらうことです。オーナーの危機感は凄いですよ。若者は元々パチンコをしませんが、車で来ていたお年寄りがめっきり少なくなった。このままお年寄りもいなくなるのではないかと心配でなりません。等価は太客が好むので脱等価の足並みは揃いませんが、一物二価を認めてもらうことに異論はないはずです」(県警OB)

パチンコとスロットの交換率だけでなく、4パチは30玉、1パチは等価などの交換率が認められることを望んでいる。

「こういう声を誰がどこへ上げるのか? しかし、そういう声を上げると警察からどういう目で見られるかを考えると怖い、というのがオーナーの本音です。こういうことを組合に上げても『黙ってろ』といわれるのがオチ」(同)

2012年頃から一物二価に関するエントリーを書き続けているが、組合が動くそぶりもないのはそういうことなのか。

オーナーから相談を受けた県警OBはホール企業の顧問と言う立場なので、さらに現役時代に上司だったキャリア組にこのことを相談した。

相談を受けた齢80を超える元本部長はこう話す。

「警察の立場で言えば、イエスマンの業界じゃないと後で必ずしっぺ返しがある。要は大人しくしておけ」

業界は警察の言うことを聞いておけ。これが一物二価が議論されない理由なのか? じたばたするなということなのか?

一物一価の原則を守れと言う指導は、一物二価をホールが使用することにより、遊技の射幸性を『恣意的に上げることを防止』する趣旨があるようだが、一物二価問題のコメント欄でこんな意見があった。

特殊景品だと分かりにくいですが、一物二価とは例えば再販価格3000円のCDを、

4円パチンコで900発(30発交換)=3600円(貸玉ベース)
20円スロットで150枚(5枚交換)=3000円(貸メダルベース)

で交換するのと同じことです。

一物二価の名のとおり、同じCDを同じ店で交換するのにパチンコとスロットでは3600円だったり3000円だったりするわけで、等価交換原則を崩さない限り合理的な説明がつきません。

特殊景品すなわち換金を前提にするなら、特殊景品の市場価格の基準を警察が一物二価で定めることも可能なのかもしれません。しかし、これは換金の存在を警察が真正面から認めることになるので、まず不可能でしょう。

メーカーが一物一価に耐えられる機種を開発するか、店舗側がパチンコとスロットで完全に隔離するかした方が現実的です。

以上引用終わり







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