【水曜】第91回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.01.26 / 連載

第91回 「楽しいでしょ」の押しつけは勘弁

最近、個人的にどハマリしている機種があるんです。パチンコ「化物語」の甘デジなんですが、久しぶりに一日中打っていられるくらい筆者のツボに刺さりまして、ヒマを見つけては設置店へと向かっております(一番近いホールが昨年暮れに4パチから2パチになり、わざわざ電車に乗って4パチで打てるホールへ行くなんてことも)。こういったコンテンツが強い機種では原作→パチンコというのが常道かと思いますが、筆者の場合にはパチンコで興味を持ってからアニメを全話視聴したという逆パターン。とはいえ、視聴した結果さらに楽しめるという、ある意味理想的な形になっているのかなと。

ところで本題は「化物語」ではなく、その隣にある某機種。これが一定時間が経過すると勝手に演出が始まるという機能を搭載してまして、隣で打っていると気が散って仕方ありません。複数台数あって、稼働もそれなりにある場合なら、この機能は盛り上げ役として素晴らしいとは思います。しかし島での稼働をキープできずにバラエティコーナー落ちして、それでもなお「楽しいでしょ」といわんばかりに勝手に騒ぎ出すのは、ちょっとどうなんだろうと素直に思うわけです。しかも音量まで勝手に最大になるから、定期的に手を伸ばして最低音量にしなければならない。もちろん隣で打っている人がいたらそんなことはしませんし、それなら多少うるさくても納得できるんですが、誰もいないのに騒がしくなるのはなんとかならないものかと。完全に「楽 しいでしょ」の押し付けで、それでも誰も打たないのはシュールな光景としか思えません。

もちろん良かれと思っての演出だし機能なんでしょうけど、それを実際にファンが求めているのか。そこを見誤っては逆に嫌悪されるばかり。他の同様の機能を持った機種では、その隣の台の稼働が落ちるなんていうこともあったりするわけで、結果として他にも悪影響をもたらしてしまうようでは本末転倒ですよね。ほぼフル稼働することを前提に企画するのがメーカーなのかもしれませんが、そうではなく実際にホールに置いた時にどうなるか、さらに稼働が落ちた時にどうなるかまで考えないといけないのではないでしょうか。同様の機能を搭載した他メーカーの機種では、任意にオンオフできるものもあります。このせっかくの機能をオフできるという決断をできることこそ、市場をしっかり見ているかどうかの分岐点なのかなと考えます。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)

学生時代にパチンコ・ パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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