【水曜】第120回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2016.08.17 / 連載第120回 客をゾンビと呼ぶタクシー業界
自転車&バイク乗りである小生にとっては天敵であり、トラブルになることもしばしばなタクシーという存在。二重駐車は当たり前、さらに横断歩道や交差点内に停車して客待ちするなどプロドライバーでありながら交通法規をまるで無視しているのをよく見かけますが、パトカーは基本的に何も言いません。さすがは天下りパワーという感じですが、これって身近な某業界そっくりじゃないですか?
都内のタクシーは近距離運賃を下げ、客を増やそうということをしているらしいですが、ちょっと距離が伸びるとこれまでの運賃より割高になってしまう。これって「大当り確率を上げて遊びやすい!」と言いつつ、スペック的にはかなり辛くなるパチンコと同じじゃないかなと思うのです。客が減った原因には目を向けず、さらに利益率を高くする。自分含め客だってバカじゃないんですが、それでも騙せるんだと思っているとしたらよっぽどタチが悪い。
それはそうと某中華料理屋で食事をしていたら、隣にタクシードライバーの二人組が着席したことがありました。そこで始めた会話で「ゾンビが〜」とか言っているわけですよ。気になって即検索すると、どうやらタクシーを止めようと必死で手をあげている客を指す隠語だそうです。「こいつら客を客と思ってないんだな」と。
さらには「乗せてやった」みたいなことを平気で話し出し、あぁやっぱり。そんな考えだから客が減るんだよと教えてあげようかと思いましたね。しかも、そういう話を誰でも聞けてしまう場でする、あまりの意識の低さに驚かされました。
いろいろなホールの店長を取材していると、なかには「遊ばせてやってる」くらいの人もたまにいます。飲み屋なんかで前述のタクシードライバーのようにそんな言葉をポロリとこぼした時、たまたま客が聞いていたとしたら……? 確実にその人はもう二度とその店に行くことはないでしょう。横柄な客側から「俺は客だ! 神様だぞ」というのは間違っていると思いますし、あくまで提供する側と対等な関係が正しい姿だと思います。でも客を客とは思わないというのは、あまり気持ちの良いものではありませんし、そういう考えでいるとしたら客が減るのも当然ではないでしょうか。
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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)
学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp