【水曜】第116回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2016.07.19 / 連載第116回 パチンコ店襲撃事件で改めて感じること
今月上旬、関東某県のホールで刃物や鈍器を持った中年男性が大暴れして設置機種を破壊するという事件がありました。
現場に居合わせたお客さんが撮影した動画をネットで公開していましたが、かなり緊迫した模様でしたねぇ。。。犯人が警察に確保され連行されている時、積んでいるドル箱を「そろっ」と避けていたのがパチンコ打ちの習性を感じさせ、なんだかおかしさを感じてしまいました……(笑)。
破壊された機種は、6月に回収リストとして発表されたばかりだった〝あの機種〟でした。回収リスト掲載機種は発表された時点でみなし機扱いになってしまうため、修理して再稼働というわけにはいきません。お店にとって、ひょっとしたら事件以上の〝痛手〟だったようにも思います。
後の報道で犯人は生活保護を受けていたとのこと。
生活保護とパチンコの関係は度々ニュースになりますし、いくつかの自治体では受給者を対象にパチンコ禁止の条例を設け議論になったりしています。これはさまざまな意見があってしかるべきだと思いますが、ホールはそういった方々も顧客としているんだという自覚を持つべきではないかと思います。そこには潜在的なリスクも当然ありますし、そういった芽を摘むことが一般ファンからの信頼にもつながることになるでしょう。
いつの頃からか、ホール業界ではアミューズメントやエンタテインメントいう、まるで楽しげな雰囲気のオブラートに包んだような言葉が使われています。でも本質はそうではありません。大衆娯楽というには語弊があるほどに……。
実際に今回のような事件はどこのホールで起きてもおかしくはないでしょう。それらのリスクを軽減するには警備強化は必須です。しかしそれ以上に、高すぎる射幸性が問題の本質だったのではないかと思うわけです。それを避けては通れませんし、ホールが改めて自らの立ち位置を自覚するのが大事なのではないかなと思います。
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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)
学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp