【水曜】第115回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2016.07.12 / 連載第115回 続々・・・マカオのジャグラー?
さてマカオシリーズ最後は、スロットマシン事情でも。筆者がマカオに通い始めて7年、毎回必ず回しているのはジャックポットで10億円というプログレッシブマシンの最高峰「メガバックス」です。
プログレッシブというのは複数のカジノに設置されている台がオンラインによって連動しているタイプで、各台からジャックポットの払い出しを積み上げることで当たり金額をどんどん大きくしていくもののことを意味します。
正直、ゲーム性はそれほど面白くありません。しかし、夢を追いかけて、ひと回し30ドル(約450円ほどです。マックスベットでないとジャックポットは有効になりません)の勝負に毎回挑むわけです。おかげさまでマカオの負けの大半がスロットマシンということになるのですが、「まぁこれは宝くじみたいなものだし……」と納得しています。
またマシンのメーカーも数多く、前述のメガバックスは日本からは撤退してしまいましたがパチスロでもお馴染みだったIGT、アリストクラートなどはマカオで少ないながらも一定のシェアがあるのかなという感じ。そしてアルゼ(カジノマシンについては、まだこのブランドです)の機種はシェアこそ低いながら、0G連や予告といったパチスロで培ったゲーム性を搭載していてなかなか面白い! ……のですが、見ている限り中国の方々には人気がイマイチ。打っているのは日本人ばかりという感じでしょうか。
そして我々が「中国版ジャグラー」と呼んでいるくらいメジャーなのが、写真の「多福多財(Duo Fu Duo Cai)」という機種。かなり前から中国の方々に人気があったんですが、今回マカオに渡ったタイミングで一気に増台されていました。
いかにもなチャイニーズテイストなスロットマシンという感じで、ゲーム性はいたってシンプル。何故か中国人の琴線に触れるようで、トップクラスの稼働を誇っています。メーカーはサイエンティフィックゲームスというアメリカのメーカー(バリーやWMSといった大手カジノマシンメーカーが傘下にあるようです)。で、きっと開発者が中国人なでしょう、見事にマカオのユーザーのニーズを掴んでいるなと思わされます。
日本のパチスロのように頻繁に入替のないマカオのスロットマシン市場。それでも稼働がなければ撤去されますし、良ければ増台されます。至極当たり前のことではありますが、約一年ぶりだったマカオでガラリと変わった機種模様を見ていると、やはりいかにニーズを汲み取り稼働の良い機械を作るのかはパチスロもスロットマシンも同じだなと。
ただ「多福多財」が増えたことで個人的にはスロットマシンに費やす時間が減ることになりましたけど、そもそも筆者みたいな貧乏日本人なんかマカオのカジノにとってはどうでもいい存在なんでしょうけどね。
——————–
パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)
学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp