【水曜】第114回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2016.07.05 / 連載第114回 続・・・マカオの空を見て、パチンコを憂う
先週に引き続きマカオの話ですが、やはり気になるのはニュースでも報じられている景気の減速。これはもういたるところで実感させられました。まずテーブルゲームのミニマムベットが、それまで強気だった大手カジノでも低くなっています。
例えばバカラではワンランク下がった感じで、それまで500ドルからでしか遊べなかったカジノでも300ドルのテーブルがチラホラと。筆者は高いミニマムベットを嫌って街中の小さいカジノを主戦場にしていますが、そこと比べても遊びやすくなったなという印象です(とはいえ、小さいカジノにはミニマム100ドルなんていうテーブルもありますが)。
またそれ以上に、やっぱり人が少なくなっているなというのがマカオがここまで繁栄した礎である中国経済の減速を感じさせるところ。とはいってもパチスロが4号機から5号機へ完全に置き換わった当時のように、露骨にいなくなったわけではありません。ただ最近の新基準機になりつつあるような感じで、徐々にいなくなっているというか……。
カジノもそうですし、観光地も飲食店もフェリーターミナルも、数年前に比べるとちょっと空いたかなという印象です。それでいながらまだ巨大カジノの建設やモノレールといったインフラ整備は続いており、これからどうするんだろうと他人事ながら心配になるほど。日本でも中国人観光客の爆買い景気が減速しているそうで、このままではそもそも中国人を想定していた日本カジノも立ち消えになるのではと思われます。
ただそれでもマカオが魅力的な街であるのには変わりなく、前回書いたようなアトラクション要素を強めることでカジノ以外での集客を強化し新たな魅力を創出していけば、カジノや世界遺産(男性にはサウナも、でしょうか)といったベースがあるだけに、まだまだ発展する余地はあるんでしょう。
日本のホールも複合施設型にするといった模索が行われていますが、パチンコ・パチスロだけではないプラスアルファが大事になるのは同じかなと。ただカジノがいつ行っても間違いなく面白いのに対し、ホールは機械性能に左右されてしまう点が異なりますし、それが実に大きな問題であるんですけどね。
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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)
学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp