【水曜】第112回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.06.21 / 連載

第112回 ベニヤ島もやむなし?

「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の年内での回収が規定路線となり、入れ替えましたが、これに伴ない「ユーザーの負担が増すことだけは勘弁してください」と以前のコラムで書かせていただきました。

それならどうするか。これまで通りの定期的な入れ替え(だけでも、ユーザーの負担はかなりのものですが…)を行い、それでも残ってしまった対象機種は、いっそベニヤ板にするのもひとつの方法でしょう。無理してホール内の全台を稼働できる状況にする必要はないですし、実際にすべての台が稼働していているようなホールは滅多にありません。それなら1島や2島くらい閉鎖してしまっても問題はないでしょうし、今でもたまにそんなホールを見たりします。

パチスロが4号機から5号機へ転換する時期、撤去した場所にベニヤを入れておくということは決して珍しくありませんでした。なんなら台間が広くなって、打ちやすいなという記憶さえあります。そもそも客数に対して台数の方が多くなった現在では、事業をダウンサイジングをするチャンスになり得るかもしれません。低貸島を閉鎖して4円に注力したり、今後を見据えた経費削減のために設置台数を減らしたりと、ベニヤにはさまざまな可能性があるのではないでしょうか。

パチンコ島をパチスロ島に転換するという方法もありますが、今後の5.9号機が今の稼働をキープできるかは正直微妙。射幸性でいったら確変が65%になったパチンコの方が、まだマシというのが筆者の印象です。無理な設備投資はユーザーへの負担を増やすばかりですし、それを望むユーザーは皆無であるはず。これをきっかけに自店の適正台数を見極め、身の丈にあった経営をすることが最終的にはユーザーにとってもメリットになると思いますし、いっそのこと行政からの要請という外的圧力をチャンスに変えるくらいの前向きな気持ちがこれからのポイントになるのかもしれません。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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