【水曜】第108回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2016.05.24 / 連載第108回 5.9号機で自主規制は打ち止め?
昨年の12月から、パチスロは5.5号機時代に突入しました。押し順ナビが液晶だけではなくメイン管理のセグ部分にも表示されるようになったのが見た目の大きな変更点で、それ以外は前兆もあるし天井もあるしで、そこまで大きく変わったなという印象はありません。
ただ個人的な感想としては、ATからA+ARTになったことで純増枚数が減り、ART機特有のリプレイばかりがそろってなかなかメダルが増えないストレスを感じます。せっかくARTに入ってもイライラするばかりではもう1回打とうとは思わないですし、そんな人が多いからなのか、連休前の機械の稼働はかなり思わしくないようです。
3月の時点で、最大有利区間1500Gや有利区間は設定差なしといった案がありましたが、それに加え有利区間を遊技者が分かるように報知するものが加えられたのが大きな点です。これで前兆は事実上なくなるものと思われ、また天井機能は現在の「エヴァンゲリオン 魂を繋ぐもの」のようなRTしか搭載できなくなっていると考えれば、高い射幸性に慣れてしまったいまのユーザーには合わないかもしれません。
一方、のめり込み防止には有効であるのは間違いなく、対行政としてはきっと及第点が与えられるものなのでしょう。〝5.9〟という呼称には、「これ以上は5号機の枠内で自主規制したくない」という表れではないかという話もありますが、いざ稼働した時にどうなるのかはファンとしても不安が募るばかり。この先、仮に規則改正が行われれば晴れて(?)6号機となりますが、そこで規制が緩和されることはほぼ期待できないでしょうし、そもそも規則改正の話も一向に聞こえて来ずですし。
現在、パチンコよりパチスロの方が粗利が取りやすいということで島転換をするホールも増えていますが、果たしてそれは正解なんでしょうか。今あるAT機がなくなった時、それでもパチスロはしっかり粗利が取れるんですか。将来を見据えたホール運営が必要になるのは間違いありません。ノーマルタイプを増やせばいいと簡単に話すホール関係者も多いですが、ノーマルタイプこそホールの実力が見えるものはありませんし、これまでのようにベタピンで営業したらあっという間に客を飛ばしてしまいますから。新台入替自粛期間中、とことんグレーな広告宣伝施策があちこちで見かけられましたが、そこまでするならいっそ覚悟を決めて●モノでも…、なんて思ってしまうくらいパチスロが瀬戸際にあるんじゃないのかなというのが今現在の思いであります。
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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)
学 生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp