2023.02.02/その他情報
【なぜいま!?】こんな令和の時代で「パチスロなめ猫」が一瞬でもバズった理由を解明してみた
2025.05.23 / 機種何気なくXを眺めていた昼下がりの編集部。
「え?なめ猫のスロット……?」
昭和のツッパリ文化を象徴する、あの「なめ猫」がパチスロになるというだけでもなかなかパンチが効いたニュースだ。だが、我々を驚かせたのはそこではなかった。
まとめサイトに掲載された機種紹介記事――そのポストのインプレッション数が、異様なほど跳ねていたのだ。
【新台】
— パチンコ・パチスロ.com (@pachicom777) May 9, 2025
ネオス「Sパチスロなめ猫~液晶ないけどなめんじゃねぇ~」機種紹介PV公開!
純増約2.9枚、BIGさえ引けばなんとかなるCAT600タイプで登場https://t.co/7w8Nv7fnan pic.twitter.com/jIkG4oG11M
「ちょっと待て。いかに人気まとめサイトとはいえ、このバズり方は何かおかしい」
誰かが意図的に拡散したというより、業界内外問わずその異質な話題性に興味を持ったユーザーの目に次々と触れていった“自走型”の伸び方。こんな令和の時代に「なめ猫」がバズるというのもなんとも不思議な話だ。なめ猫バズの正体を確かめるために、今日に至るまでにどのようなプロモーションが行われてきたのかを調べてみた。
「なめ猫のスロットは大阪コミコンで初披露となった」
2025年5月。向かったのは、大阪・南港「インテックス大阪」。ここで開催されていたのが、国内外のポップカルチャーファンが集う巨大イベント「大阪コミックコンベンション2025」、通称・大阪コミコンだ。「パチスロなめ猫」はここで初お披露目となった。

パチスロなめ猫が展示されていたのは、最も人通りの多い1号館。ボーダーが参考出展という形で筐体を設置していた。
場所は、公式グッズを取り扱う「コミコンショップ」と、ライブパフォーマンスなどが行われる「リングステージ」に挟まれた通路沿い。まさに、来場者の視線が最も交差するポイントだった。
展示の周辺には絶え間なく人が行き交い、「何これ?」と記念撮影をする若い女性たち。興味深そうに筐体を覗き込む中年男性。親子連れのグループでは、「昔、流行ってたんだよ」と子どもになめ猫の背景を語る様子も見られた。

ブースを見守っていた株式会社ボーダーの社長は、「今、昭和レトロって若い子に人気じゃないですか。なめ猫って、ある意味“昭和カルチャーの顔”ですし、親子で話題になるかもしれないなって」と出展の意図について、語っていた。
実際、展示の周囲では「なめ猫ってなんかエモいよねw」とスマホを向けるZ世代の姿が複数見られた(エモいのか……)。SNS映えするかどうかはわからないが、個性的な猫のビジュアルは懐かしくもどこか新しいネタ感が介在する。「この令和の時代になめ猫のパチスロがあった」と人の耳目を集め足を止めさせる力。これこそがなめ猫が放った一瞬の煌めきだろう。

ではパチスロ機としてどうなのか?
まずは、この台の基本スペックをおさらいしておきたい。
本機は6.6号機のATタイプで、純増は約2.9枚/G。
まずは、この台の基本スペックをおさらいしておきたい。

初当たり確率は全設定共通で1/155
(出玉率)
設定1 98.0%
設定2 100.3%
設定4 102.6%
設定5 104.6%
設定6 108.1%
注目すべきは全設定共通1/155の初当たり確率だ。約200枚を獲得できるBIG BONUSは最低3連保証となっており、1回の初当たりで600枚ほどが獲得可能だ。REG BONUSは約60枚だが、その後32G以内に引き戻せばBIGへと昇格。これが“CAT600”と呼ばれる本機の仕様だ。


こう説明するのが分かりやすい。通常時の滞在モードによってBIGが出てきやすいかREGが出てきやすいかが決まるため、モード移行辺りが設定差になるのだろう。100G、300G、最大600Gに設定された天井も設定差がありそうだ。
通常時はリプレイが3連続するとガチ抽選CZ「ミケ子チャンス」に突入するという分かりやすい設計。リプレイは誰でも引ける役だからこそ、パチスロ初心者でも“何か起こるかもしれない”という期待感が持ちやすく、打ち出しのハードルも低い。
液晶なしの光り物というだけでノーマルタイプ風だが、実は連続性も高い。BIG初当たりの一部で金7「JACK POT」がそろうと、約93%のループで1G連が継続し、期待出玉は約3000枚だという。
また、通常時はチェリーなどの小役契機にフラッシュを伴う即告知が発生するが、特にリプレイが連続したときにチャンスが訪れるという懐かしさを感じさせる仕様。

また、通常時はチェリーなどの小役契機にフラッシュを伴う即告知が発生するが、特にリプレイが連続したときにチャンスが訪れるという懐かしさを感じさせる仕様。
3連でCZ「ミケ子チャンス」突入、4連でボーナス、5連でBIG濃厚、6連で1G連ストック確定といった連続演出が搭載されており、地味ながら1Gごとに捨て要素の少なさは好材料といえるだろう。
「液晶がない」という現代のパチスロ機においてはデメリットだが、過度にゲーム数に縛られすぎないゲーム性ゆえ、どこからでも打てるというのが長所。BIGならまとまった出玉も獲得でき、さらにはJACK POTまでいければ大量獲得も夢ではない。最後のワンチャン狙いには非常に適した機種だ。
「見た目は古いが、打感は現代ライク」というのが試打感想といえる。
なぜ、なめ猫だったのか? ――いま令和に“昭和浪漫”がバズる理由
なめ猫の動画を少しだけ🐈 pic.twitter.com/ZUFUFzVo8S
— PiDEA編集長コガワ@人材募集中 (@pideanaotoko1) May 23, 2025
なぜ、なめ猫だったのか? ――いま令和に“昭和浪漫”がバズる理由
パチスロのプロモーションにおいて、「版権選び」はすべての起点であり、すべての結果にもなる。では、なぜいま「なめ猫」だったのか? その背景には、いまの日本社会に静かに浸透している消費トレンドの変化がある。
それが「昭和浪漫」だ。
レトロではないがノスタルジー。情緒的で、手触りのある価値観がZ世代にも求められている。古い使い捨てカメラで撮った写真が、「よくわからないけどなんか惹かれる」ように、純喫茶、ネオ歌謡曲、スカジャン、ローテクな看板文字。これらは“昭和浪漫”として、いま再び消費の対象になっている。
これも「なめ猫がちょうどよく時流を捉えた」ともいえる。

1980年代に社会現象となったキャラクターは、「完成されたコンテンツ」というより、「少し隙のあるキャラクター」であり「懐かしさを含んだ違和感」となった。
大阪コミコンで若い来場者が口にした「なんかエモいよね」という言語化できない感情から漏れた言葉。これこそが、なめ猫が瞬間的にバズった理由なのかもしれない。
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