【P10割→10割、S10割→10.86割】ついに始まったパチとスロの専用景品、ZENT方式が全国初事例に

2024.06.05 / ホール

5月20日に「賞品の提供方法に関するガイドライン」が制定され、パチンコの賞品とパチスロの賞品を分けることで、それぞれが独立した一物一価を実現できるようになりました。

そんな中で、先陣を切ったのが愛知県の大手法人・ZENTの豊田本店。

6月6日からパチンコ・パチスロ専用景品をスタートすると発表し、元々はPSともに10割分岐営業だったところを、パチンコは据え置きで、パチスロは10割分岐から10.86割分岐営業へとレートを下げて運営するということです。

当初、PiDEAでは賞品提供ガイドラインを受けて、パチスロは10割分岐寄りへ、パチンコは11割や場合によっては12割などとレート変更をするホールが多くなるだろうと予想していましたが、いくつかのホールを調査したところ予想外の結果に。

変更の予定がないという企業が多かったのですが、「もし変更するなら…」という話になると結果はかなりバラけました。

「パチンコを稼働させるために10割分岐をやめたい」というところもあれば、「むしろパチスロの10割分岐をやめるべき」と回答する企業もあり、どのような方向性になっていくかは、各ホールの営業戦略によるところになります。

一方、昨日6月4日、埼玉県遊協の総会があったのですが、そこで趙顕洙理事長にも意見を求めてみました。趙理事長は今回の件が決まった経緯についてこう振り返りました。

「広告宣伝ガイドラインはホール4団体と警察庁の間の信頼関係がベースとなって発出されたもの。しかし、賞品提供の多様化の話はかねてより全日遊連の阿部恭久理事長と太田裕之専務理事、警察庁との間で話し合っていたことであり、全日遊連主導でまとまり、それを他団体へ発信し、制定に至りました」

営業の幅が広がることはホールにとっては良いことですが、今回は、パチンコとパチスロそれぞれの一物一価です。貸玉ごと(パチンコ4円、1円、パチスロ20円、5円)に細分化されたわけではないことに注意が必要です。

また、賞品をPとSでどのように差別化するのか。埼玉でも地区によって問屋はさまざまあり、既存の賞品と新たにP(またはS)専用賞品を作るのか、一部だけ変更することで既存の賞品を生かすことはできるのかなどが検討されているそうです。もちろん新たに作るとなれば、コストも時間もかかるし問屋への負担も大です。

P据え置き、S下げの分岐変更を行った「ZENT方式」は今後、賞品提供方法も含め全国のモデルとなるかもしれません。果たしてその成否は。今後の成り行きが注目されます。

ZENT, 賞品の提供方法に関するガイドライン, 二物二価