4/30結果
🆚マルハン蒲田駅東店
+243,300(平均+658)
🆚ベルシティ ザシティ雑色店
+54,330(平均+533)
いやー共闘元年ですな!
4月30日、都内でも法人間をまたいだ「共闘」が発生しておりまして、PiDEA本誌でも特集をしようと思って編集を進めていたのですが、見かけるや否やすぐにコンタクトを取りまして取材に行ってきました。
共闘を実施していたのは、マルハン蒲田駅東店とベルシティ ザシティ雑色店の2店舗です。「大田区活性化計画」と銘打ち、まったく同じデザインのサイネージ用POPで「共闘」を強調しておりました。
特に「モンキーターンV」「ゴーゴージャグラー」「スマスロ北斗」あたりは両店ともに勝率も高く、このあたりが「共闘」らしきところだったのかなと推察しております。
まずはこの共闘の成り立ちについて、発起人であるマルハン蒲田駅東店の宇宙オタクこと臼井哲朗(@ngc2070r136a1)に話を聞きに行きました。……っと内容に入るその前に、ウスイ店長といえばゴリゴリの宇宙オタクポストをしていて、てっきり学者みたいな見た目の人かと思ったら、思いのほかファンキーな出立ち!
ちなみに宇宙ファンになったのはここ5年くらいのことらしく、落ち込んだりしていた時に思い立ったが吉日ということで夜な夜な栃木の戦場ヶ原に向けて車を走らせ、星を見て「すげぇ」と一言つぶやいて帰ってくるような少し変わった方です(笑)。
またある時は夜中に「海鮮食べたい」となったら即行動。金沢まで下道をひた走り、明け方に海鮮を食べて帰ってきてしまうような考えるよりもまず行動タイプ。当時のことを「ひたすら距離が長くて地獄でした(笑)。でもやりたいことをやったのでいいかなと自己肯定しています」と笑い飛ばしちゃうような方でした。
マルハン蒲田駅東店とベルシティ ザシティ雑色店って競合するんじゃないの?
そんな方なので、共闘の仕掛けもある種突発的に始まりました。
最初はあるメーカーの担当者のつながりで、ベルシティ ザシティ雑色店の店長と飲みにいくことになり、そこで「何か面白いことできないですかね」と相談をしたところ、トントン拍子で話が進み実施することが決まったとのこと。
両店は自転車で10分ほどの距離でもちろん競合店同士。そんな競合店同士が手を組むということは、共通の敵がいるのかなと勘ぐってしまいますねぇ。
ウスイ店長「いや、そういうのは一切ないんです。ただ、1年前に着任した時に蒲田の市場を見て、全国屈指の台数と店舗数であるがゆえの供給過多。お店もユーザー様もルーズルーズの関係になってしまっているなと思いました。だからずっと大田区全体で何かをやりたかったんです」
「敵は商圏内のどこかの店舗!」というわけではなく、エリア単位での客の引き合いに大田区が乗っかれていないとのことでした。「商圏内で取り合うと先細るので、強いていえば、JR京浜東北線沿線で他の市場からの誘引が必要でした」とウスイ店長は言います。
実はとても重要だったパートナー選び
なるほどなるほど。
となると、次に業界誌記者として気になるのは、いくら飲みの席で弾んだ話とはいえ、パートナーがなぜベルシティ ザシティ雑色店さんだったのかという部分です。
マルハン蒲田駅東店さんは駅前ですし立地も良く設置台数も1000台超と、都内マルハンの中でも旗艦店とされている高稼働メガホールです。かたや雑色駅は京浜急行線で路線も違いますし、ベルシティ ザシティ雑色店は設置台数もP204台、S102台と少し差があるように見えます。パートナー選びの考え方についてどうなんでしょうか??
ウスイ「最初にコラボする店舗さんってすごく大事だと思うんです。初回なので実績を出せるかどうかがポイントになります。その点、ベルシティ ザシティ雑色店さんは、突発的に平均600枚とか周年の前に700枚とかを実施してくる、ある意味ぶっ飛んだやり方でしたので、実はこういうムーブをできるのが重要だったのです」
ベストパートナーとのこと!
当然、この手のコラボ話には「握り」があったりします。どちらか一方だけが出すということになると、出した方だけが注目されるので、パートナーのメリットが薄くなる。これでは本来目的としていたエリア集客にはつながりません。だからコラボにはあって当たり前の話。
ただ今回のような、平均500、600となると、「現場力の高い店長」でないと実現できないのです。ウスイ店長はさまざまな法人に声かけをした中で、ベルシティ ザシティ雑色店を「ベストパートナーです」と言っていました。
ウスイ「店舗規模の差があるので短期的には相手様の方にメリットがあるかもしれませんが、それはそれでいいのです。この計画が大きくなっていった時に市場の客数が増えれば結果的に自店にも恩恵があることになりますから」
会社に事後報告で決めちゃったベルシティ ザシティ雑色店の店長もやってきた!
と真面目なお話も聞いていたら、やはりウスイ店長はどこまでも突発的な方でした。「この取材だったらベルシティ ザシティ雑色店さんの話も聞かないとですよね!」とおもむろにスマホを取り出し電話をかけた相手は、ベルシティ ザシティ雑色店の店長さんでした。
「あ、小見さんですか。今お店いますか? はい、PiDEAの取材が入っていて良かったら来れませんか? 了解です待ってますー」
というびっくり展開にw 小見さんというのがベルシティ ザシティ雑色店の店長さん(@cityzoshiki0703)のことです。
(30分後)
小見昌誉店長は「どうもどうも」と言って取材場所に急行してくれました。せっかくなので、話をもちかけられた側の意見も聞いてみたいと思います。
小見店長「ウスイさんのことは、見た感じ店長に見えないイケイケの人と噂に聞いていましたし、正直、最初は『え?なんでうちなの』と思いましたよ。でも話は面白いなと思ったんです。エリア的にうちが張り合う相手ではないですし、逆の発想で、せっかくこんな蒲田で1番のお店から声がかかったなんてチャンスだなと。それで会社には事後報告しました」
おい!最後に爆弾を置いていったぞ(笑)。
これが小見店長が小見店長らしいところで、この推進力というか行動力こそ、ウスイ店長がベストパートナーと〝見初めた〟人物だったのだなと実感させられました。書けないんですが、小見店長のもっとやばいぶっ飛びエピソードも聞けたのですが、ちょっと過激なので自粛しておきます(笑)。ヒントは中古機系。犯罪とかでは全然ないので詮索しないように。
ちなみに、ベルシティ ザシティ雑色店では、平日何も仕掛けなければ並び数人というところでしたが、この日は50人抽選がいたということで絶大な効果があったとのことです。
さて、同じ大田区ではありますが、蒲田市場と雑色市場では細かくみると商圏が直接重なっているわけではないので、お互いに組むメリットがあったということです。また、これはあまり大人の事情で細かく書けないのですが、蒲田という市場がどうやらいろんなしがらみがあり、広告宣伝的になかなか身動きが取りづらい市場だったようで、それもあってコロナ禍前からどんどん縮小していってしまったようです。だから、今回の共闘は蒲田エリアにとって大きな意義があるのです。
ウスイ「これから毎月定期的にやっていこうと思っています。最終的なゴールは大田区内全店の23店舗で実施することです。もうすでに私と小見店長で他法人さんに話をしにいっていて、5月は別の2法人さんが乗っかってくる予定になっています」
たしかに市場で影響をもったホールのほとんどがやりはじめたらこれはもう無視できないですね。一方で、抵抗するホールが独自に来店とかもしかけてくるんじゃないでしょうか?
ウスイ「それはそれで結果的に大田区にユーザーさんが集まってくることになるのでOKです。弊社が目指しているのはパチンコのエンタメ化です。パチンコはエンタメであると社会の人々のイメージを変えることを目標に、自社視点だけではなく、社会視点とお客様視点で他社とも健全な競争と共創を実現し、パチンコファンを創造していくことに取り組んでいます」
ははぁー!なるほど。すべてはウスイ店長の見えざる手というべきか、結果的にコントロールされることになるというのは、すごい発想だなと思ってしまいました。
このところ「自店だけではなくエリアで集客したい」という話は本当によく聞きます。法人間でコラボ(対決構造に)することによって、ブラフを抑制し期待感を持たせることができます。単店だったり、法人間ではなかなか深いところでの信用度が出せなかったりします。だからこそ共闘の意味があるんですね。
いやはや、今年は本当に共闘元年ですな。