パチンコメーカー2Q決算(中間決算 その2)/藤商事、フィールズ、オーイズミ、ユニバーサル

2023.11.16 / メーカー

パチンコメーカーの2024年3月期第2四半期(7-9月期)決算が出そろった。その1に続き、速報としてお伝えする。

前回の記事(SANKYO・セガサミー・平和)はこちら→https://www.pidea.jp/articles/1700026195

藤商事は増収減益
次のスマスロ〝とある〟に期待

藤商事<東証スタンダード6257>は11月6日に決算を発表した(括弧内は前年同期比)。

売上高は182億9300万円(+6.6%)、本業の儲けを示す営業利益は25億8300万円(+1.6%)。金利の支払いや受け取りなど本業以外の損益を考慮した経常利益は25億9000万円(-3.0%)、最終の利益となる純利益は24億700万円(-2.5%)と、物足りない結果となった。第1四半期時点の営業利益は39億円だったため、この3カ月で13億円の利益を削られた格好となる。

同社はパチンコの通期計画を72,500台と設定しているが、第2四半期を終えた段階でまだ28,800台。かつて日本中を席巻した〝リング〟も1万台と、目標到達までのハードルは低くない。

パチスロは新機種の発表がなく寂しい状況だった。次の第3四半期では、スマスロとある魔術の禁書目録が登場する。ゴブリンスレイヤーで注目を集めた同社だけに、新たな看板となった〝とある〟でも成功を収めたいところ。

フィールズは業績を拡大
パチンコ・パチスロ計12.6万台もの販売台数

円谷フィールズホールディングス<東証プライム2767>は11月13日に決算を発表した。

売上高は670億1500万円(+58.7%)、営業利益は53億7000万円(+52.0%)、経常利益は59億0700万円(+57.4%)、純利益は41億2300万円(+62.6%)と、業績を拡大させた。

パチンコではP百花繚乱が10,000台。引き続き好調なエヴァ15の再販は24,000台、ライトミドルは10,000台と、かつて「オワコン」とさえ呼ばれたエヴァンゲリオンが強さを見せ続けている。

パチスロでもスマスロのエヴァンゲリオン~未来への創造から~が16,000台を販売。第2四半期を終えた時点でパチンコは85,748台、パチスロは40,277台と、計12.6万台もの販売台数となった。

しかし株価は振るわず、決算発表の翌日は▲13.6%も下落し、終値は1,327円。8月8日に3,380円の年初来高値を付けて以降は下がり続け、わずか3カ月で60%もの暴落となっている。

オーイズミの業績は目覚ましい伸び
遊技機部門の成長に期待

オーイズミ<東証スタンダード6428>も11月13日に決算を発表した。

売上高は116億8100万円(+59.4%)、営業利益は9億600万円(+83.4%)。経常利益は8億9300万円(+80.4%)、純利益は5億5400万円(2.5倍)と、目覚ましい伸びを示した。

第2四半期にも関わらず年間の業績予想に対する経常利益の進捗率は85%に達しており、大きいタイトルを販売できれば上方修正も見えてくる。以前と違いパチンコの〝高尾〟もあり、遊技機部門の成長が期待される。

パチスロOVERLORD絶対支配者光臨Ⅱは堅調な稼働から再販を繰り返しており、発売から8カ月を経過した今も導入店は着実に増えている。

また、スマート遊技機用ユニットの販売も好調で、スマスロをまだ発表していないオーイズミにも特需をもたらした。

ユニバーサルは極めて好調な業績
通期業績を大幅に上方修正

ユニバーサルエンターテインメント<東証スタンダード6425>は、他の遊技メーカーとは決算月が異なるため、今期は2023年12月期第3四半期となる。11月14日に決算を発表した。売上高は1240億9400万円(+40.0%)、営業利益は165億6500万円(29倍)。経常利益は322億9800万円(2.6倍)、純利益は239億4300万円(9.5倍)と、極めて好調な業績となった。

PiDEAでは第1四半期決算のニュースで「経常利益は通期計画の257億円をすでに上回る進捗率となっており、今後は業績の上方修正も期待される」と報じた。この予想は的中し、同社は10月13日、通期業績を大幅に上方修正した。特にカジノの収益が反映される経常利益は従来予想の257億円から390億円へ51.8%もの増加幅となっている。

遊技機事業では、カプコンとの業務提携第5弾・スマスロ戦国BASARA GIGAが業績を牽引。パチンコでは、根強い人気を博した〝はいふり〟の最新作、Pハイスクール・フリート オールスターが投入された。

藤商事, フィールズ, オーイズミ, 第2四半期決算, 2024年3月期