【直営店先行導入レポート】P世紀末・天才バカボン〜神SPEC 凱旋〜のココがすごい!

2023.09.14 / その他情報

9月14日、大一の直営店「大一岩塚店」で今期最注目の新台「P世紀末・天才バカボン~神SPEC凱旋~(以下、P世紀末・天才バカボン)」の先行導入が行われた。斬新なシステムとコンテンツ力で長期の稼働を叩き出した名機「P神・天才バカボン~神SPEC~」の後継機ということもあり、本作の全国導入を心待ちにしているホール関係者も多いだろう。遊技したユーザーの反応や記者が実際に打ってみた感想などを交えて「P世紀末・天才バカボン」先行導入初日をレポートする。


先行導入の「バカボン世紀末」を狙いにファンが集結

チワッスあしのです!

「P世紀末・天才バカボン」の先行導入店舗は名古屋の老舗ホール「大一岩塚店」だ。名古屋には何度か遠征で打ちに向かったことがあるとはいえ、メーカー直営店で先行導入台を打つのは、筆者にとってこれが初めての経験だった。

朝から台を確保できなければレポートにならないということで前泊することにしたのだが、いざホテルのベッドで横になると「大丈夫かなぁ」「起きれるかなぁ」と不安ばかりが募ってしまい、結局一睡もしないまま当日の朝を迎えることになった。ともあれ中途半端に眠って寝坊するより貫徹のほうが全然いい。折角なので早めにチェックアウトを済ませ、店舗まで5駅分ほど散歩することにした。 

「大一岩塚店」愛知県名古屋市中村区岩塚本通3-25

かなり早めにホテルを出たこともあって、店舗前についたのは朝六時半だった。いくらなんでも筆者が先頭だろうと思ったら、すでに先に並んでいる方がいて驚いた。さすがは大一を牽引するビッグブランド、バカボンだ。まだ通勤ラッシュすら始まってない時間だというのに、その後も並びのユーザーは増え続け、駐車場に停めた車内にて様子を伺う人々を含めれば、八時ごろには「P世紀末・天才バカボン」の導入台数(8台)に迫る人数になっていた。

なお、筆者は普段、パチスロをメインで立ち回っている。

朝から並んで打つこと自体が最近は減ってしまっているが、狙いをパチンコに絞っての並びとなると十年ぶりではきかないかもしれない。いつもと違う土地、ホール、そして狙い台。お小遣い制で心もとない財布の中身が尽きる前に、少しでも台の魅力を感じたいものだが、果たしてうまくいくかどうか。オープンの時間が迫る。

新しく生まれ変わった「神スペック」

では実戦の前に「P世紀末・天才バカボン」がどんな台なのか。「P神・天才バカボン~神SPEC~」との違いを含め確認してみよう。

【スペック】

通常時大当たり確率 1/319.9
神RUSH時大当たり確率 1/76.2
神RUSH突入率 65%
神RUSH継続率(残保留込み) 約75%
電サポ回数 100回+残保留4回

 

前作との違いとして、まずは「3,000個当たり」を搭載している点が挙げられる。前作は上位RUSH移行時にのみ3,000個当たりが存在していたが、今作では常に振り分けとしてそれが存在しており、一度のRUSHで複数回の3,000個当たりを体験するチャンスが生まれた。またこれは右打ちに限った話ではない。ヘソ当たりにも3,000個当たりの振り分けが存在している点にも注目だ。たった1%とはいえ、存在しているのとないのでは違う。当たりの際のワクワク感がまるでが変わってくるからだ。

そして最も大きな変化はゲームフローにある。前作の右打ちは段階を踏んで「鬼RUSH(連チャン率約65%)」から「神鬼RUSH(連チャン率約81%)」へと移行していく方式だったのに対し、今作ではヘソ当たりの65%で直接「神RUSH(連チャン率約75%)」に突入するという非常にシンプルな仕組みに生まれ変わっている。

前作は「神鬼RUSH」の存在がかなり象徴的だったので、ここを潔く脱ぎ捨てるのを予想していたファンは意外と少ないかもしれない。

当然だがフローが変化したことにより実質的なRUSH突入確率は大幅に軽くなっている。これはそのまま「機種の楽しい部分を体験しやすくなっている」といっても良いだろう。またそれにともない右打ちの仕様もミドルSTからロングSTに変更されている。RUSH滞在時間がアップしたことにより機種のアツい部分をより長く楽しめるようになっているのも「遊びやすさ」に重きをおいたチューンナップと考えていいだろう。

前作「P神・天才バカボン」は多くのファンに愛される名機だが、どうしても「上位RUSHが体験しにくい」という部分を不満に思うユーザーもいたはずだ。しかし今作はそんなファンからの声に隙なく対応しているように見える。「高突入率・高出玉」という特徴は継承しつつ、システムを遊びやすく刷新し、かつ3,000個当たりの比率アップやロングSTなど、現在のトレンドに沿った要素を身にまとった、まさしく「正当進化」だ。

【他機種との比較】

機種名 P世紀末・天才バカボン P Re:ゼロ鬼がかり P真北斗無双4
RUSH突入率 65% 55% 65.4%
RUSH継続率 約75% 約77% 約76%
RUSH中3000個比率 約30% 約25% 約26%
RUSH突入時出玉 1500個or3000個 3000個 900個or3000個
RUSH非突入時出玉 1500個 1500個 900個
ST回数 100回 144回 100回

 

筆者はそもそもバカボンシリーズが好きなのでシステムがどうあれ結局全部触るのだが、演出の楽しさや良い意味でのバカさで魅せる「バカボン」というコンテンツと「遊びやすさ」という要素は確実に相性が良い。この部分に舵を切った作りは、トレンドはもちろん、コンテンツファンのニーズにもマッチしていると感じる。筆者とて、大好きなバカボンが出玉力据え置きで遊びやすくなって帰ってきた、というのならば、これは一も二もなく大歓迎である。

さあ、前置きが長くなったが、それでは説明はこのくらいにして、いよいよ実際に打ってみよう。もてよ筆者の小遣い! どうか勝てますように……!

大当りを目指して、いざ実戦!

入場を終え、無事に台を確保できてホッと一安心。だがホントのお仕事はこれからである。まず筐体のレビューだが、8月7日より全国のホール導入された「P真・一騎当千〜桃園の誓い〜」と同様の「シグナス筐体」で本機は登場。近年の大一の機種にあった特徴的な球体デザインのボタンではなく、細長いホイール状のレバーに変化した筐体である。言葉ではうまく伝わらないかもしれないが、レバーの内部にLEDを仕込んだ回転体があり、演出中にはそれが輝きながら回転するのだ。

演出面は前作から大幅に刷新、というより完全新作なのですべて新規になっていた。機種タイトルからもわかるように世界観の原型(?)になっているのは某世紀末救世主パチンコだろう。ただそれは細部まで完全に真似たというよりかは、あくまでもモチーフの域にとどまっている。打ち始めて五分で分かったが、この機種は特段なにかの台を下敷きにしているというわけではなく、今現在市場を席巻する、あらゆる売れ筋パチンコの「いいとこ取り」を目指したような、いい意味でごった煮のような世界観になっていた。いかにもバカボンらしい直球のパロディが随所に散りばめられており、演出を眺めるだけでもかなり楽しい気分になった。

1万円ほど投資したところで図柄変動時にギミック振動、さらにシリーズおなじみの「白ウナギイヌ」が登場しあれよあれよという間に当たりにつながった。 

昇格演出こそ失敗したがラウンド中の演出で見事「神RUSH」をゲット。前作であれだけ遠かった「神」がこんなに簡単に拝めるとは。名古屋までの移動やホテルでの眠れぬ時間などが一気に報われた瞬間である。 

 と、サクッと駆け抜け。筆者実はST機がめちゃめちゃ苦手で、大体のラッシュはこうやって駆け抜ける。ただ「駆け抜けたあとは連チャンしやすい」というバカみたいなオカルトの信奉者でもあるので、これは期待値を積んだと思って納得することにした。バカみたいでもいいのである。だってバカボン打ってるのだから。 

ちなみに今作は通常時の演出カスタマイズも搭載されている、あらゆるトレンドをブチ込んだような機種なので、当然先バレモードもある。名前は「先バカ」だ。せっかくなので二度目の当たりまでそれで遊ぼうと思ったら、モード変更後5回転くらいですぐチャンスが来た。例の「回転するホイール」が内蔵されたレバー部が光り輝きながらぐるぐると周り、ついでに振動する。いかにも「大チャンスですよ」と言わんばかりの「先バカ」である。 

なんとこの「先バカ」がサクッと当たりにつながり、つい10分ほど前のデジャブのごとくボーナス中の演出で「神RUSH」へと昇格。デジャブついでにまた駆け抜けるのだけは勘弁だと思っていたら、ラッシュ突入直後に演出なしで3000発当たり図柄がそのままそろった。実に気持ちが良い連チャンである。

さっき筆者はST機が苦手であると言ったが、もしかしたらあれは嘘かもしれない。いや、嘘になったと言ったほうが正確か。あるいは「駆け抜け後のSTは伸びる」というバカみたいなオカルトが実は正鵠(せいこく)を射てたのか。なんせこの当たりはその後も軽快に続き、ラウンドも3000発当たりに偏ってくれたこともあって、都合15連、2万発オーバーの大量獲得となったのだから。

さすがにこれだけ連チャンしたから楽しかったのは当たり前なのだが、それを置いても筆者の率直な感想として一番大きいのは「とにかく遊びやすくなっている」というものだった。(モードにもよるが)演出のメリハリの効き方はいかにも現代のトレンドに合致しているし、スペック的にも十二分な出玉力を担保した上で、打ち手に無理を感じさせない現実的なフローになっている。

そもそも前作が特異だっただけで、本来バカボンは誰からも愛される遊びやすさが先にくるイメージがある。したがってこれはキャッチコピー通り、進化でありつつも原点回帰である。

バランスの良さという意味ではかなりハイレベルな出来に仕上がっていると感じたので、これはホール側の使い方次第では前作以上の長期稼働も十分に見込めるのではないだろうか。

「当たってなくても、不思議と許せる」
出玉への期待は抜群

また今回は喫煙所で一緒になった「P世紀末・天才バカボン」を打っていたユーザーさんに少しだけ話を伺うことができた。朝並びから二時間ほど側にいたのである程度顔なじみにもなっていたが、仮にAさんとしよう。

Aさんは当該ホールに良く訪れる方で、今回も本作の先行導入を目当てで来店したとのことだった、大一の機種のなかでもバカボンは特に好きな機種だそうだ。「P世紀末・天才バカボン」を打つ前に思っていたことと、実際に打ってみて感じたことについて伺ってみたところ、こんな回答があった。

「なんとなく前作の兄弟機だと思っていて演出はそんなに変わってないと勘違いしてましたが、そんなことはなかったです。新しくなった演出は、パロディが直球で無理やり笑わせにくるのが僕は好きな感じです。今日はまだ一回も当たってなくて本来ならイライラするところなんですが、なんか不思議と許せちゃう。シリーズが好きだからというのもあるのですが、機械の中身的にも「エヴァ15」に3000発当たりがついたような感じなので、ラッシュに入りさえすればマクれるかもと常に期待をもって打てるのがいい。前作より継続率は減っていますが『入りやすい』というので逆に追いかける人が増えるんじゃないかと思います。今日はまだまだ打つつもりです」(Aさん)

演出的な意味でもスペック的な意味でも、とにかく「面白いパチンコ」を打ちたい方にはオススメの正統派ロングST機だった。「P世紀末・天才バカボン」の全国ホールデビューは10月2日を予定。バカボンファンの方は特に首を長くして待つべし。

 

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