初代沖ドキを踏襲した「S沖ドキGOLD」と沖ドキDUOが共存できない理由

2022.12.12 / 連載

【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座#277


今週の紹介機種は「S沖ドキGOLD」
2022年12月19日週導入開始予定
メーカー:アクロス
全国17,000台予定


パチスロ市場は今、管理遊技機で賑わいを見せている。スマスロの供給が進むにつれて、メダルもなくなる流れとなっているが、メダルにこそ最大の特徴がある沖スロが、どの様な進化を遂げていくのかは未だ不明である。
2014年にリリースされて以降、沖スロ市場を牽引してきた「沖ドキ」だが、「S沖ドキGOLD」はタイミング的に最後のメダル有のシリーズになる可能性がある。本機は、6.2号機ながら昨年末にリリースされてから今現在も市場を支えている「沖ドキDUO」を6.5号機内規で作り替えている。本機には、次世代沖スロが確立するまで再び市場を支えることに期待したい。

そんな本機はシリーズ同様に疑似ボーナスATタイプとなっている。それでは表で基本情報を確認しよう。

スペック


<通常・AT仕様>

設定 初当り確率 BB確率 RB確率 出率
設定1 1/299.6 1/175.3 1/368.7 97.2%
設定2 1/287.3 1/168.3 1/346.2 98.7%
設定3 1/266.7 1/157.7 1/324.0 101.3%
設定L - - - -
設定5 1/247.6 1/143.0 1/297.9 104.7%
設定6 1/237.0 1/134.0 1/276.5 108.1%

《通常・AT仕様》

50枚ベース 約32G
タイプ 左1ST/AT
AT仕様 押し順AT・約3.0枚/G
ボーナス仕様 モード別確率レバー抽選・レア役
BB仕様 70G・約210枚
RB仕様 30G・約60枚
天国モード詳細

天井32G・ボーナス確率約1/9
LOOP率75%or80%or90%
移行時期待値約1,300枚
※有利区間内で必ず移行
有利区間移行詳細
※シームレス性能
天国モード終了時約33%で再度天国モード移行
天井 ボーナス間999Gでボーナス当選
コンプリート機能 非搭載

シリーズ機同様に内部モードを上げて、天国モードを目指し出玉獲得を目指すフローとなっている。

本機と沖ドキDUOとの大きな違いは、内規上シナリオで管理せざる得なかった仕様が、純粋なモード移行抽選による仕様となった。実現に至ったのは、有利区間ゲーム数が延びたことと、有利区間ランプ報知義務が撤廃されたことにある。

もう1つ特筆すべき点は、大きな点は市場トレンドでもある、6号機特有の2400枚リミッターを感じさせないシームレス性能の有無となっている。本機のシームレス性能は天国モードの延長線上的に発動させる仕様となっているので、天国突入時の期待値はシリーズの中でも性能が高く、有利区間のON/OFFは分からない仕様なのだ。

内部モードは、リセット専用の2つのモードを含めて9つから構成されている。通常モード中は、天国移行まで転落ナシとなり、モードB滞在時は50%以上で天国移行となる。モード別天井は999G・200G・32Gとなっている。設定変更時の40%で移行するチャンスモードの天井は200Gかつ、モード移行が優遇されている。

演出


シリーズを踏襲した演出は、もちろんモード推測を示唆している。ボーナス告知の光り方やボーナス終了後のミニ液晶等でのモード示唆演出がメインである。天国移行時の出玉性能がシリーズ随一となっていることもあり、出玉演出は強い仕様である。


本機「S沖ドキGOLD」の訴求ポイントは「スペック」だ。

現在好評稼働中のシリーズ機「S沖ドキDUO」との共存は、供給状況次第ではあるが、1月以降にも随時供給される予定なので正直厳しいだろう。ホールとしても単価の高い本機を稼働させる方が良い。

そして、スペック訴求は「遂に初代再現!天国期待枚数初代越え!!」などで出玉を想起させることが効果的だ。

その他、初代に通じるモード移行となる「朝一がチャンス!」「モードB滞在時天国移行率50%OVER!」などの情報訴求も効果的である。


L機で市場が賑わいでいるが、「リノヘブン」は厳しい状況だ。ゲーム性やスペック性能は決して悪いものではなかったと思う。仕様は知っての通りに「沖ドキシリーズ」を踏襲し、現実的な確率で、明確な一撃フラグも搭載した仕様であったが、ブランドが原因なのか他L機とは劣る結果となってしまった。

逆説的に「沖ドキ」ならL機でなくてもニーズを維持する可能性は高く、冒頭で触れた通りに最後のメダル有シリーズとなる可能性があり、本機の重要性を理解した上で遊技環境の整備をする必要はあるだろう。

新台, 沖ドキ, S沖ドキGOLD