いよいよ業界から玉・メダルがなくなる新時代到来まで1ヶ月を切った。とは言え、厳密に言えば玉は循環するのでなくなるワケではなく、いわゆる物理的な「出玉」がなくなることとなる。特にパチスロは出玉払出について、ベルリプレイやボーナス入賞時にあえて払出音を発生させるなどの配慮が5号機時代よりずっとなされてきた。そんなスマートパチスロ4機種を今週からお届けしよう。特に「L革命機ヴァルヴレイヴ」は純増枚数が圧倒的に高いため、出玉量と出玉払出がなくなることで稼動に影響が発生するかもみものとなる。
そんな本機は多段階突破型の超純増ATタイプとなっている。それでは基本情報を確認しよう。
<通常・AT仕様>
設定 | CZ確率 | BB確率 | RB確率 | 合算確率 | RUSH確率 | 出率 |
設定1 | 1/277 | 1/1023 | 1/1055 | 1/519 | 1/1077 | 97.3% |
設定2 | 1/275 | 1/1017 | 1/1049 | 1/516 | 1/1065 | 98.3% |
設定3 | 1/274 | 1/923 | 1/1163 | 1/514 | 1/1034 | 100.8% |
設定4 | 1/269 | 1/911 | 1/1145 | 1/507 | 1/1013 | 103.2% |
設定5 | 1/264 | 1/828 | 1/1259 | 1/499 | 1/971 | 107.9% |
設定6 | 1/258 | 1/732 | 1/1482 | 1/490 | 1/916 | 114.9% |
《通常・AT仕様》
50枚ベース | 約31.3G |
タイプ | 左1ST/AT |
AT仕様 | 2色1ST押し順AT・約7.2枚/G |
CZ抽選 | ゲーム数テーブル抽選※レア役等でゲーム数短縮抽選あり |
CZ仕様 | 10G・期待度約52% 対象キャラに応じた抽選役による突破抽選 |
BB仕様 | 50G+α・レア役でHOLD(ナビ回数)抽選・約478枚 払出枚数666枚到達でRUSH確定・期待度約55% |
RB仕様 | ベルナビ8回+ベルナビ1STリールジャッジ・約110枚 敵ライフ4を削り切ったらRUSH確定・期待度約35% 1STナビの振り分けられた中右の“敵”“ダメージ”を決定 “敵”2連続選択で敗北・約1/199の共通ベルで左“勝利” |
RUSH仕様 | 10G~100G/SET終了後3Gの引き戻しZONEによるLOOP 2~4連継続ジャッジ期待度約77%・5連目以降期待度約90% レア役によるゲーム数&ストック抽選あり ※継続期待度は66G引き戻し込(ZONE期待度は69.3%・87.2%) |
天井 | CZ間1000GでCZ当選 ボーナス間1500GorCZ8回目でボーナス当選 RUSH間RB4連続スルーで次回BB当選 |
コンプリート機能 | 搭載 |
通常時はゲーム数テーブルによるCZ当選を目指すフローとなっている。またレア役などによって規定ゲーム数短縮も行っている。
CZはデフォルトで主人公の「V図柄狙え演出」成功でボーナス確定だ。さらに、共闘するキャラにより各小役による抽選が追加される。本機の大きな設定差は「BR比率」となっている。BBとなる「革命BONUS」は、50G中にレア役等でゲーム数をHOLDさせながら払出枚数を666枚に到達させ、RUSH当選を目指す仕様となっている。
RBは規定回数ベルナビを消化後にゲージバトルへ突入し、ベルナビ1STジャッジによる抽選を行う。事前に各リールに配置された内容によって展開が左右される。左には「勝利」が配置されており、左は共通ベル(約1/199)でのみ選択され、中右には「敵」か「攻撃」が基本的には配置され、レア役等でパネルの内容が向上されて2回連続で「敵」が選択されるか、RUSHが確定するまで継続する仕様だ。
RUSHはSET LOOPのゲーム性となっており、SET終了後に3Gの引き戻しZONEを経由してRUSHをLOOPさせる仕様となっている。LOOP率は1回目から3回目までは継続率77%となり、4回目以降の継続率は90%へと向上する。SETゲーム数は10G~100Gとなり、3連目まではほぼ10Gの選択となるが、4連目以降は20G約30%、50G約5%、100G約3%と振分が向上する。
LOOP率は、引き戻しZONE失敗後の66Gの引き戻し期待値を含めた期待度となっており、ZONE終了後から66G間の期待度は一律20%となっている。RUSH中はレア役でストックとゲーム数上乗せ抽選を行い、上乗せは約1/1000の「共闘役」の約2%でしか発生しないが、発生の際は100G・200G・300G・400G・500Gが均等振分となっており、純増を考慮するとプレミア役的な扱いとなっている。
通常時はゲーム数の短縮抽選に加え、リール下にある「前兆MAP」により前兆期待度の可視化や滞在モード推測による演出を搭載している。CZ・ボーナス・RUSHと基本的に突破型のゲーム性で構成されているので、突破を目指すフロー自体が演出構成のほとんどを占めている。冒頭でも触れた様に超純増による出玉演出は、物理的なメダルは管理遊技機の仕様上なくなっているが、出玉速度演出は非常に高い性能を有している。
本機の訴求ポイントは「コンテンツ&スペック」だ。コンテンツとしては、原作の話ではなく「スマートパチスロ」であることとなる。
業界初の試みとなるメダルレスの仕様を遊技方法などを含めて丁寧に訴求する必要がある。本機は特にスマスロの顔的な立ち位置でプロモーションされている節があるので、スマスロを訴求するには本機を活用するのが効果的だろう。
そして、スペック訴求は「RUSH期待度1300枚OVER!」「純増7.2枚×SET LOOP90%!」などのハマりが非常にキツい仕様に対しての対価の大きさを訴求することが効果的となるだろう。そして、非常にキツい仕様だけにユーザー1人で完結するフローにもなっていないので、稼働促進のために狙い目となるモード別ゲーム数や複数ある天井情報の訴求は効果的となるだろう。
スマスロの従来機との違いは、コインレスであること有利区間ゲーム数に制限がないことのみとなり、スマスロも紛れもなく「6.5号機」である。
スマスロへ稼働を集中させることがホールにとって良い結果に結び付くかは、現状スマスロの供給状況を考慮すると、現行機を含めて6.5号機として共存させて行く方が良いだろう。
「エヴァ未来」「Reゼロ鬼」により頭打ちとなったパチンコ市場を鑑みると、ニーズ供給が不足することは懸念材料だ。そもそも現行機の方が現市場のユーザー単価や稼働時間等を考慮するとバランス良く開発されている可能性は全然ある。なのでスマスロに注力し過ぎないように注意は必要だろう。
ただし、これだけ業界全体で長く・広くプロモーションを行ってきたことではあるので、新規およびスリープユーザーの掘り起こしには大いに役立つツールではあるので、競合店との綱引きだけではなく市場ユーザー数を増加させる方向での取組こそが真の成功に導くのだ!