9月28日、日遊協の人材育成委員会主催で「令和4年度女性活躍推進フォーラム」の第1回目がZOOMを用いて開催された。2015年より開始され、今回で第8回目の開催となる。今回は30社58名の女性従業員が参加している。
当フォーラムは日遊協会員企業に所属する女性社員自らがキャリアプランニングとワークライフバランスを通して業界課題の抽出や改善作を模索し、さらに働きやすい職場環境を作るための場と、それを後押しする学びの機会の場を生み出すために発足した。「風土形成の後押し」「実務の後押し」「知の後押し」を3つの大きな目的として活動を行っており、常に知と感覚が刺激される時間となっている。
今回のフォーラムは、風土形成の後押しを目的としており、経験を通し成長のきっかけとして自社での活躍につなげることだ。大きなテーマは「増客」で、最終的には自社に持ち帰り提案できる企画を、グループで練り上げプレゼンすることがゴールとなっている。参加者は10チームに分けられ、全5回の活動を共にする。参加者の担当業務は幅広く、ホールスタッフから本社勤務など多種多様で、年齢層も幅広い。
フォーラムでは、株式会社第二営業部の堀川和映氏によって基礎的なマーケティング知識の講座が行われた。講座では、集客から増客への思考転換ついて3問のディスカッションする場を設けられた。その中では「質の高いサービスを提供してきているのに、どうして思い通りにお客さまが増えないのか」というディスカッションを実施。「お客さまのニーズと店舗が提供するサービスが合致していない」といった意見が多くのチームから上がる。しかし堀川氏が意図する内容とは「『質の高いサービス』という人によって程度が変わる、不明確な定義がお客さまに伝わりにくく、増客につながっていないのだ」というものであった。
海外のサービスはチップを渡す文化によって行為が成立しているが、日本のサービスはマネタイズされていない。個人の犠牲の上に成り立っていることが多く、単純な負荷となっているのだ。パチンコホールでは、サービスの提供をお客さまとのタッチポイントとして活用し、相手の趣味や趣向をくみ取り、認識のある接客サービスを行うことで顧客ロイヤリティにつながり増客するのだという。
「ビジネスの範囲でサービスを考えると、成果を出すことが求められます。つまり収益化が必要なのです。企業は収益がなければ事業を継続できないため、そういった能力には必然と価値が生まれていくのです」と同氏は強調した。
セミナーの後は、グループディスカッションが行われ、「増客」関わるキーワード出し合うブレインストーミングが行われた。次回は10月21日に第2回のフォーラムが開催される。
帝国データバンクの国際労働比較を見ると、他の先進国と日本の管理職に占める女性の割合は大きな差が開いている。こうした状況下で、パチンコ業界が他業種と群を抜いて女性が活躍できる機会や、風潮を生み出すことができれば、世間からパチンコ業界に新しい見解が生まれることは間違いない。今、改めて人材育成に新しい価値観を取り入れていくべきだ。