とても似ている!「Pからくりサーカス」のスペックをバカボンと比較して評価する

2022.07.25 / 連載

【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座#257


今週の紹介機種は「Pからくりサーカス」
2022年7月31日週導入開始予定
メーカー:SANKYO
全国22,000台予定


遊技機の80%以上がアニメとのタイアップとなっている現在でも、パチンコ業界には続々と新規コンテンツが参入している。

年に300作を超えるアニメーション制作が行われているアニメ業界では、新規コンテンツばかりではなく過去に一度制作されたアニメーションのリメイク作品や、すでに完結した漫画を10年以上の年月を経て改めてアニメ化するなどその手法はさまざま。

今回取り上げる「Pからくりサーカス」はそんなリメイク作品の1つだ。漫画原作は1997年~2006年。連載終了から12年後の2018年~2019年に掛けて放送されたアニメとのタイアップとなった。業界初かつ古参コンテンツの本機には知名度共に高い実績に期待したい。

昨年にリリースされいまだに好評稼働中の「P天才バカボン神スペック」に非常に近いスペックとなっているので、今回は比較しながら基本情報を確認していく。

 

スペック


《基本スペック》

機種名 Pからくりサーカス P天才バカボン5
通常確率 約1/319.9 約1/319.7
RUSH中確率 約1/45.0 約1/44.8
RUSH仕様 2種2段階ST
通常初当り時RUSH①突入率 約75%
RUSH①回数・継続率 37+残保留4回・約60.2% 42+残保留4回・約64.6%
RUSH②昇格振分当り 50% 33%
RUSH②移行時獲得出玉 1500個×2回
RUSH②回数・継続率 70+残保留4回・約81%
特図1・2 MAX出玉・比率 1,500個・100%
遊タイム 非搭載
時速獲得出玉 約30,000個

《大当り振分 特図1》

ラウンド数 出玉(払出) 移行状態 振分
10R 約1,500個 RUSH10,000回+RUSH②へ 1%
10R 約1,500個 RUSH37回+残保留4回へ 74%
10R 約1,500個 通常へ 25%

《大当り振分 RUSH①》

ラウンド数 出玉(払出) 移行状態 振分
10R 約1,500個 RUSH10,000回+RUSH②へ 50%
10R 約1,500個 RUSH37回+残保留4回へ 50%

《大当り振分 RUSH②》

ラウンド数 出玉(払出) 移行状態 振分
10R 約1,500個 RUSH70回+残保留4回へ 100%

「P天才バカボン神スペック」と違う点は下位RUSHの継続率と上位RUSHへの振分のみ。出玉はすべてMAXラウンド(1,500個)となり、上位RUSH移行時は契機となる当選分に加えて、次回濃厚となる時短回数により3,000個を獲得する。

上位RUSHは現市場のトレンドとなっている“81%ST×1,500個”だ。初当りと上位RUSH移行で4,500個を獲得してからのRUSHとなるので、上位RUSH移行時の獲得出玉は非常に多い。

下位RUSHの継続率は「天才バカボン」よりも劣ってはいるものの、ST60%の当選回数期待度は約1.5回となり、当選時振分50%の上位RUSH昇格期待度は約65%と高く、仮にST64.6%であった場合は当選回数期待度が約1.8回となり、当選振分33%の上位RUSH昇格期待度は約52%と大きく差がある。

 

演出


業界初コンテンツとなり、コンテンツを活かした群像劇ならではの演出も多数含まれている。メーカーお馴染みのカスタムも搭載されており、予告期待度も任意で変化させることも可能となっている。

そして、高突入率RUSHのスペックを生かしたRUSH濃厚演出も多数搭載。RUSH突入を懸けたラウンドジャッジ演出も任意で選択可能となっている。上位RUSH突入時には液晶ブラックアウトが発生し3,000個獲得。最大の至福の瞬間となるだろう。さらに、特賞アタッカーは同社機「ガンダムUC」同様の巨大ハネアタッカーを採用し、出玉演出としても抜群だ。


本機「Pからくりサーカス」の訴求ポイントは『コンテンツ&スペック』となるだろう。

週刊少年サンデーで10年にわたって連載された原作で知名度は十分。コンテンツ名とキャラのみで十分な訴求となるだろうが、藤田和日郎原作としては「うしおととら」の方が業界的な知名度が高い。これをつなげる訴求をするのも忘れないようにしたい。また、「からくりサーカス」は3人の主人公で構成されている作品なだけに、キャラ1人だけを使った時にアイキャッチとしては弱く映る恐れもあるので、やや注意が必要だ。

そして、スペック訴求でのポイントとしては「天才バカボン」との相乗効果を狙うこと。

10月リリース予定の「うしおととら」(大一)導入時に台を多く返却する必要があり、「天才バカボン」は市場から相当数がなくなる。いまだ多くのユーザーを抱えている機種だけに、その受け皿となれば、その重要性がいかに高いかはお分かりいただけるだろう。

もちろん、スペック的な訴求ポイントはそれだけではなく、「ALL1,500個」「RUSH突入率75%」「上位RUSH81%LOOPかつ突入時3,000個獲得」などたくさんあるため、必要に応じて訴求を行うべきだろう。


さて、本機を含めて、4月から不足気味であったハイミドルが今年の夏に大量に市場投下される訳だが、タイミングとしては6.5号機の真価が問われる時期とも重なる。

6月の6.5号機の2機種は芳しくなかったものの、7月はパチンコ不作の背景もあり、3機種登場した6.5号機が活躍。結果として、パチンコユーザーの5%以上がパチスロへ流れ、2月の旧規則完全撤去から初めての明るい兆しとなった。しかし、これが純粋にパチスロがパチンコを上回った結果なのかは、パチンコがまともにリリースされるお盆までは測れない。

「S犬夜叉」はすでに2万枚放出の実績が出回ることとなった。「2万枚」だ。高射幸性機として5号機終焉の切っ掛けとなった定義である。それがコンプリート機能搭載直前にリリースされた機種の特権として十分に発揮出来ているのは確定的となった。

一方で、パチンコのコンプリート機能は完全に規制なだけに、6.5号機には頑張ってもらうしかない。そろそろパチンコに勝るとも劣らないスペックの登場で、パチンコもパチスロも両輪が回る市場になることを切に願いたい。

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