残り約3カ月で新規則機設置比率目標100%達成は「厳しい」/全日遊連理事会

2021.11.19 / 組合・行政

11月17日、全日遊連(阿部恭久理事長)は都内の「第一ホテル東京」で全国理事会を開催した。

当日の決議事項では貯玉補償基金の引き下げが審議された。阿部理事長は「現状の上限である100万円(25万発)を依存問題の観点からも引き下げた方がいいのではという方向で貯玉補償基金に提案することを決議した」とし、「引き下げ後の上限額はまだ話し合っていない。前回、100万発から25万発に引き下げた時は、貯玉補償基金でその上限を決め、センタ事業者から各店舗に通知してもらったので、今回もその流れになるのではないか」と述べた。

また、遊技機の大型化に関する検討会について、「遊技機のスペックが画一的になる中で、差別化のために大型化せざるを得ないという状況もある。その部分では、スペックのバリエーションが増やせれば違いが出せる部分もあるだろう。大型化はホールとしては労働環境面や運送代などの負担が生じるが、メーカーにはメーカーの言い分もある。その辺を今後どのように詰めていくか。また、SDGsを推進していく上でも多くの部品を使いそれを廃棄していくのはいかがなものかという懸念も出ている」と現状の課題を語った。続けて遊技機の騒音防止対策についても「厚労省から85デシベル以上は従業員の労働条件を悪化させるという見解が出ており、そのガイドラインの見直しが行われている。パチンコホールも対象業種になった時のことを考え、今から対応していった方がいいのではないか」と検討中であることを明らかにした。

その他、ホールの遊技機保管状況調査結果が報告された。それによると8月末時点で倉庫などに保管されたままの検定・認定切れの旧規則機は約33万1000台で、5月末の調査約41万台に比べ8万台ほど減少した。ただし、回答率は82.3%であるため実質的な保管台数はもう少し増えると予想される。

記者会見では「新規則機の設置比率が10月末の目標値85%に対し、現状では74%しかない中で、残り3カ月程度で目標100%を達成する見通し」を聞かれた阿部理事長は「厳しい」と前置きした上で次のように語った。

「8月に関して言えば6号機が4万8000台設置された一方で、3万8000台外れており、実質1万台しか増えていない。そんな状況で6号機ではファンも付かず商売にならない現実がある。だから『外せ』と言われても『入れる機械がないよ』と。来年1月末に『外してよ』とはお願いしているが、『目標数値に近づけるために外してよ』とはなかなか言いづらい部分もある」と苦しい胸の内を明かした。

さらに、「旧規則機の設置期限の延長の可能性」を聞かれ、「全日遊連として要望書を提出したことはない」と言明するとともに、「基本的に期間の延長を要望しても機械が変わらなければ同じ。何を優先すべきかと言えばもう少し遊べる機械、もう少し商売になる機械が出てこなければ同じことの繰り返しになる。であれば行政側に今の機械の変更点を要望していった方が将来的にはプラスになると思っている」と語った。

なお、全日遊連に加盟しているパチンコホール数(営業店舗数)は、2021年10月末日で7718店雄となり、前月末と比べて35店舗減少した。10月の新規店舗数は2店舗(前月4店舗)で、廃業店舗数(組合脱退含む)は39店舗(同65店舗)、休業店舗数は164店舗(同167店舗)となった。10月末の遊技機台数は、パチンコが213万3652台(前月比3,266台減)、パチスロが137万6621台(同4699台減)、その他の遊技機37台(前月と同じ)を含めた総台数は351万310台(同7965台減)となった。

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