【日曜】藤崎敏郎「仕事を3倍効率化する観察力」

2015.03.16 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー

第35回「 観察力のない上司は部下を使えない!!」

部下があなたのところに分からないことを質問に来て、あなたが説明してあげたとします。部下は「分かりました」と、答えてくれたものの、首をかしげつつ表情はまだ納得がいっていない様子。このような状況だったら、「本当に分かっているのか」と確認して、もう一度説明してあげようと思うでしょう。つまり、相手の非言語情報に注意を払うことで、言葉だけでは分からない本音を理解することができるようになるのです。そのためには、相手の姿勢やしぐさなどをよく観察することが重要となってきます。いままで身を乗り出して話をしていた相手の話し声のトーンが変わり、落ち着かない様子であいづちを打つだけになるなど、態度が変化してきたときは何らかのサインです。もしかしたら、話題を変えたいとか、時間が迫ってきて切り上げたいとか、相手には訴えたいことがあります。こんなときに、観察ができていたら素早く対応ができます。

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観察のチェックポイント

♦見る・・顔の表情、顔色、話しを聞く姿勢、視線の方向、ジェスチャー、くちびるの様子、手のしぐさ。足の開き具合、足・腕組み、身体のゆれ、うなずき、呼吸のスピード、瞳孔の大きさ、涙腺、肩の上がり方、まゆげの動き方、まばたき、口の開き具合、汗など。

♦聞く・・声のトーン、話すスピード、話しのリズム、声の抑揚、口数、語尾、間のとり方、話しの内容、うなずきの声、笑い声、呼吸の音、吐息、ため息、話し方のクセ、擬態語・擬声語の使い方、「へぇ」「すごい!」などの感嘆詞、口グセなど。

♦感じる・・体温、空気感、手の感触、体の感触、匂いなど。

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そして、残念ながら、いくら観察して正しいことを部下に話したとしても、うまくいかないケースがあります。それはお互いの信頼関係がないからです。相手に受け入れてもらうには、お互いに「心のパスポート」を持つことが必要なのです。信頼関係というと大げさな感じを受けるかもしれませんが、まずは、相手に「好感」を持ってもらうことです。自分が何を話そうかと頭をいっぱいにするのではなく、相手の話しを理解するために、また相手に話しを理解してもらうために気遣うことが大切なのです。会話で足りないものを埋めるのは思いやりなのです。「いつも、目の前の部下を世界で一番大切な人と思って話しを聴く」この“思いやり”があれば、お互いの思いを共有できるでしょう。

今回の格言は、

「観察力のない上司は部下を使えない!!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

 

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