将来的には21世紀会的な役割を/日遊協

2021.09.17 / 組合・行政

9月16日、日遊協(西村拓郎会長)は定例理事会を開催した。

理事会後の会見で西村会長は「本日の理事会に先立ち加盟団体会議(※注1)を開催した。日遊協が横断的組織としての役割を果たすべく、かつ21世紀会のような働きができるように、加盟団体としっかりと横のつながりを持ち、中身のある具体的な話をつめている。将来的には真の横断的組織としての役割を果たせる方向に向かっていると思っている」と語り、日遊協が21世紀会のような立ち位置を期待されていることを匂わせた。

当日の加盟団体会議では旧規則機撤去で懸念される野積み問題への対応、SDGsやキャッシュレスについて将来的な取り組みなどが協議された。

また、会見では8月27日に厚労省が公表したギャンブル依存症の実態調査報告書(※注2)に対し、その問題点や課題を篠原菊紀・諏訪東京理科大学教授が専門家の視点から指摘した。

篠原氏は厚労省調査の指標となったSOGSについて、「5点以上がギャンブル等依存の疑いがあり、それが2.2%あった」としているが、「パチンコ・パチスロでは7〜8点が依存の疑いがあると考えるのが適切であり、そのパーセンテージはもっと低い」こと、しかも7〜8点の人でさえ依存症のレベルはかなり低いことなどを研究者の論文などをベースに展開。

「(厚労省が公表した5点以上の人を)ギャンブル依存症の定義である『ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活または社会生活に支障が生じている状態』というのは無理がある。この話は依存疑いとかではなく、非常に広範なリスクスクリーニングの結果にすぎない」と断じた。

さらに同調査報告書に関するその他の問題として「『ギャンブル依存症を疑われるものにうつ、不安が多い』とあるが、うつ、不安はむしろ原因である」「『ギャンブリングを自分で止めることができない』という認知の歪みがパチンコ・パチスロでの遊技障害疑いを増悪させる⇨自己責任で遊びましょう、の普及こそ予防的」「『誰でも(依存症に)なりうる』も疑問⇨明らかにリスクの濃淡がある(発達障害、不安・よくうつ、神経症傾向、共存障害、遺伝要因)。万人にではなく、届けるべき先にいかにメッセージを届けるかが大事」「『自助グループにつながるまで63.1カ月』⇨自助グループにつながることがゴールであるような誤解は、特に発達障害などが背景にある場合、当事者を苦しめかねない。GAは9割が離脱するという報告もある」などを指摘した。

 

※注1/日遊協に団体加盟しているのは日工組、日電協、全商協、回胴遊商、MIRAIの5団体。この5団体の代表者が日遊協とともに諸課題などについて報告・協議する。

※注2/久里浜医療センターが昨年10〜12月に実施したインターネットおよび郵送調査。全国の18歳以上75歳未満の8223人の回答を分析。調査の結果、依存が疑われる人は、男性は3・7%、女性は0・7%(男女平均2.2%)だった。過去1年間で最もお金を使ったギャンブルは、男性はパチスロ、パチンコ、競馬の順で多く、女性はパチンコ、パチスロ、宝くじの順だった。

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