マルハンチャンネルの 中の人に聞いてみた! Channel2

2021.09.15 / ホール

パチンコホール企業公式YouTubeチャンネルとして最大の登録者数(14.4万人)の「マルハンチャンネル」の中の人に突撃取材。チームを統括するマルハン東日本カンパニー営業推進部の金丸直樹部長に聞いてみた!

個人の能力よりチームの力

「マルハンチャンネル」が現行の体制になってから約2年。Twitterでもマルハン店舗公式アカウントの中でも最大のフォロワー数を誇る、マルハン大山店(東京都板橋区)が開設したチャンネルがその礎になっている。2021年4月から株式会社マルハンは、北、東、西の3カンパニー体制に移行したが、「マルハンチャンネル」は東日本カンパニーの公式チャンネルとなっている。

管理体制は、東日本カンパニー営業推進部の中にあるメディア戦略室のメンバーと、YouTube動画に明るい東京エリア所属の店長やマネージャーの約10名でチームを構成している。番組の撮影や編集は外部業者にお願いしているが、企画立案や編集後の修正指示は、チャンネル編成チームが統括管理している。知識と知見がないと踏み込こめないところ(新台動画がすべて内製制作)まで、メンバーは深く関与しているという。

「店舗の営業を任されている店長やマネージャーたちにとっては、業務の負担が大きいのは分かっていますが、YouTube運営の鍵はチーム力だと思っていますし、彼らにもその点については納得してもらっています」

その分野が得意な1名だけで特別職のように運営するのは、「続けていく」という点においてはマイナスと考えているという。やはり継続的な運営を考える時、大事なことは「チームとしての活動」だと金丸部長は言い切った。

 

 

演者とのコラボが躍進のきっかけ

マルハンチャンネルが番組作りで意識していることは、「JANBARI.TV」や「1GAME TV」、「スロパチステーション」などの複数の媒体の演者たちとのコラボだ。同業同士のYouTubeチャンネルでもコラボ企画はままあるが、マルハンチャンネルがコラボの先駆けであると担当者は自負する。大事にするのは「こんな動画を観てみたい」というファンの期待。パチンコホールは、演者や媒体のプラットフォームであり、同時にサードプレイスであるという位置付けをし、ファンの期待に応える番組を制作することにより多くの登録者数を獲得した。

「登録者が劇的に増えたきっかけがあったり、何かを仕掛けたりしたわけではありません。上手くいったこと、失敗したこと、すべてをノウハウとして蓄積した結果だと思っています。愚直に続けてきたことが今につながっています」

チャンネル拡大期に大きく寄与した「回胴の鉄人」をモデルにして、今後も媒体所属に限らず多くの演者との関係を築きたいと金丸部長は言う。

誤情報を払拭し真の姿を伝えたい

マルハンチャンネルは多くの動画サイトと違い、収益を第一義としているわけではない。より多くの視聴者に、パチンコの楽しさを知ってもらうことが、マルハンがYouTubeをやる目的の大きな1つだ。例えば歌手のさくらまやをメインMCに据えた番組「さくらまやのパチンコ旅」は、初心者に向けパチンコの楽しさを訴求することを目的にした番組だ。再生数は重視していない。

「視聴者からは、さくらまやさんの知識がないとか、別の演者さんを使ってほしいという意見をいただくのですが、確かにあの番組は、パチンコ系YouTube動画のメイン視聴者たる中級者以上には物足りない構成になっています。ただ当社に入社する新入社員たちも最近はほとんどパチンコを打っていないんですよね。そういう人たちにも観てもらえる番組作りを心掛けています」

チャンネル運営に関するポリシーについても掘り下げてみた。

「マルハンは良くも悪くも注目されます。だからこそ発信する言葉に責任を持つように心掛けています」

YouTube上には、さまざまなパチンコ動画がアップされているが、中には間違った情報が流布されていたり、噂レベルの情報をさも事実かのように流したりするものもある。マルハンチャンネルでは、業界の正確で説得力のある情報源としての価値も付与したいというのがチームの想いだ。

「マルハンチャンネルを観て(事実を)知ったんだけど、その情報は間違っているらしいよと視聴者が言ってくれるのが理想」という言葉には、業界のリーディングカンパニーとしての矜持がうかがえる。

チャンネルの課題と未来のビジョン

マルハンチャンネルとしては、チャンネルの顔となる自社アイコンを作ることが1つの課題だと言う。

「マルハンの社員の中からそういう人を作ろうという構想もありますが、自社の社員がマルハンで打つのはどうなのかという問題もあります。パチンコ・パチスロ打たずに番組が成立するかというとそういうわけにはいかないですしね」

別の課題として担当者が挙げたのが、チャンネルの費用対効果。マネタイズを重視しているわけではないが、活動を継続していくためには、社内の理解が不可欠だ。費用だけが嵩めば規模縮小の憂き目も避けられない。チャンネルの広告収益で製作費を賄うことは最低限の目標となる。

「企業チャンネルの開設が増えていますよね。ホール現場ではライバルですが、YouTubeに関しては、勝ち負けは考えていないので、できれば他法人さんとのコラボも積極的に企画したいと思っています。一緒にやればファンももっと増えます。先日も、法人対抗のディスクアップ企画を実現しましたが、さまざまな形でこれからもコラボできればと思っています」

YouTubeに限らず「パチンコ」はネット界隈の有力なコンテンツと言われている。コアなファンの支持を得ている一方で、アンチ巨人も巨人ファンの言葉通り、アンチパチンコ派もネットのパチンコ関連情報に関心を持っているからだ。パチンコ業界のあることないことが真贋の区別なくあふれかえっている。だからこそ、社会的な責任と企業のプライドを持って発信する、パチンコホール企業のYouTubeサイトの意義は大きい。企業YouTubeの「再生」は必ず、業界の再生にもつながるはずだ。

 

 

 

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