「遊技業界の雇用、労働環境の改善へ」 エンターテイメント健康保険組合設立

2021.08.17 / 組合・行政

8月16日、一般社団法人アミューズメント雇用環境協会(略称/AEEA、平本直樹代表理事)は日遊協会議室で「エンターテイメント健康保険組合(以下略.エンタメ健保)」の設立記者会見を開催した。

エンタメ健保の設立母体となるAEEAは、2018年9月に遊技業を含むエンタメ業界の雇用・労働環境の改善を図り、従事者が安心して働ける環境を構築することを目的として日遊協とDMM.comが共同で設立。業界初の健保組合の設立を目指し、2019年2月から厚生労働省に対し、認可申請を行っていた。その後、1次、2次の審査を経て今年5月26日に認可され、6月1日よりエンタメ健保の運営を開始した。設立時加入者数は約1万人(被保険者約6000人、被扶養者約4000人)、加入法人は50法人で、うちホール企業は35法人ほど。

加入対象となる業界は、遊技業をはじめ、ゲームセンター、アニメ・ゲーム制作業、複合カフェ業、カラオケ、ボウリング、動画配信業、タレントマネジメント業、レジャー施設などエンターテイメントに関連する各種事業となっている。

エンタメ健保設立のメリットとして、①組合の運営に事業主と従業員が直接携わるため、自主的・民主的に運営を行うことができる、②法律の範囲内で、保険料率を独自に決めることができる、③法定給付(法律で定められた保険給付)に加え、財政に応じて付加給付を行うことがでる、④業界の状況に応じた健康への取り組みを行うことができる、⑤健康の維持増進や予防医療等の保険事業を行うことができるの5つを挙げている。

会見で事務局担当者は「エンタメ健保の保険料率は9.64%(40歳から64歳までの人は介護保険料がプラス)で設定。業界関連企業の多くが加盟している『協会けんぽ』(全国平均の保険料率は10%)よりも保険料率が低く抑えられているエリアでは、事業者および加入者の負担が軽減するメリットがある」などと話した。

平本代表理事は、「多くの業界の法人が雇用、労働環境の整備に力を注いでいる中で、新しい選択肢の一つとしてAEEAがサポートできればと思っている。まだスタートしたばかりだが、今後加入者が増え、この結果として業界の雇用、労働環境の改善につながり、間接的に業界の発展に貢献できればと考えている」と述べ、加入を呼びかけた。

 

 

エンターテイメント健康保険組合, 一般社団法人アミューズメント雇用環境協会, 日遊協, 平本直樹代表理事