勃発した「沖ドキ!」抗争〜旧規則機を撤去したい団体と反旗を翻すホール〜

2021.02.14 / 組合・行政
パチンコ・パチスロ産業21世紀会(以下、21世紀会)が決議した「旧規則機の取扱い」。
国家公安委員会規則が定める設置期限を前倒した撤去要請。
高射幸性遊技機の撤去とは異なる「沖ドキ!」問題は、撤去を推進し...
パチンコ・パチスロ産業21世紀会(以下、21世紀会)が決議した「旧規則機の取扱い」。
国家公安委員会規則が定める設置期限を前倒した撤去要請。
高射幸性遊技機の撤去とは異なる「沖ドキ!」問題は、撤去を推進したい業界団体側と、あくまで遵法を主張し設置し続ける一部ホール側とで、諍いの域を超え業界の命運を分かつ「抗争」の様相を呈している……。

誓約書確認機関と「沖ドキ!」未撤去ホール

ホール4団体誓約書確認機関が1月29日に発出したプレスリリースによれば、1月12日以降、同機関が運営する通報確認システムに寄せられた774件の通報のうち、内容が重複する通報339件及び主旨とは異なる通報を除いた370件に事実確認書を送付することを明らかにした。

また1月29日現在で、同機関が全国遊技機組合連合会(以下、全機連)に詳細を通知した件数は132店舗に上ったとも伝えている。ちなみに「1月12日」を同機関が基準日にしているのは、21世紀会が決議した、2020年内に本来の検定・認定期間の満了を迎える「その他の遊技機」の設置期限が、2021年1月11日であったことに起因する。年初初回の入替日程が1月11日を超える一部地域を除いては、この日が「沖ドキ!」の最終稼働日であった。

同機関が発出した1月22日のプレスリリースでは、全機連への詳細通知数が46店舗であることを見ると、わずか1週間の間に86店舗増加した。同機関ではこの「86店舗」が21世紀会決議の何に違反していたのかは明らかにしていないが、そのほとんどが「沖ドキ!」の未撤去であろうことは容易に想像できる。

21世紀会は決議の遵守を促すため、全国のパチンコ店に誓約書の提出を求め、99.5%以上のパチンコ店が同誓約書を提出した。しかし本誌調べでも200店舗以上が期日内に「沖ドキ!」の撤去に応じなかった。その理由は何だったのか−−。

 

「沖ドキ!」が撤去されない3つの理由

業界団体関係者によれば「私見である」としながら、その理由を次のように分析している。

1つは、新型コロナウイルス感染拡大による2度目の緊急事態宣言の発布である。本来、国家公安委員会が定めた設置期限は従来の期限より1年間延長されている。21世紀会が定めた設置期限よりも長く定められているのは、規則を改正した昨年5月の時点で、今後予測されるコロナ第2波、第3波を想定した猶予期間であったことは誰もが知るところであるが、まさにその状況が訪れた現時点で、「設置期限の延長は業界団体が率先して講じるべき措置である」という論調が強まったことである。

もうひとつは、該当機種の撤去に応じないパチンコ店に対する業界団体側の「ペナルティー」の実効性が乏しかったということ。ホール4団体誓約確認機関の活動は、21世紀会決議に反したホールを、任意の通知を元に確認し、全機連にその詳細を通知することに限られている。その通知を受けた全機連側としては、中古機流通協議会の決定に基づいた中古機移動の際に必要な確認証紙の発給留保と、メーカー各社による個別の対応に留まっている。

特にメーカー各社の足並みはそろっておらず、21世紀会の決議に反しても「新台は供給される」というのが周知の事実となっている。この業界団体側の「ペナルティー」問題に関しては独禁法のハードルが高いという止むを得ない側面も無きにしも非ずではあるが、やはり該当機種を設置し続けた経営的なメリットと、「ペナルティー」によるデメリットを天秤に掛けた時に、明らかにメリットが大きいという点が今回の事態を引き起こした大きな要因となる。

そして、最後のひとつ。「沖ドキ!」が期日通りに撤去されなかった最大の理由は、同機種が「高射幸性遊技機」ではないという点である。

21世紀会決議では、高射幸性遊技機については、1年間の検定・認定期間の延長を認めず、本来の期日で撤去することを求め、全国のほとんどのホールはその求めに応じた。「高射幸性遊技機の撤去は仕方がない」と。

近年、パチンコ業界を苦しめ続けた、政府のギャンブル等依存症対策による諦めにも近い理解がここにあった。パチンコ店だけではない。ホール4団体誓約書確認機関も、活動当初は「高射幸性遊技機の撤去」を強調し続けた。その反動が、高射幸性遊技機ではない「沖ドキ!」の非撤去に現れた。高射幸性遊技機ではない「沖ドキ!」を外す理由はないというのが、同機種の撤去に応じない多くのホールの言い分である。


21世紀会による 「旧規則機の取り扱い決議」(抜粋)

①射幸性の高い遊技機は本来の設置期限をもって撤去する (1年間延長は無し)
②比較的射幸性の低い遊技機は本来の設置期限より7カ月以内に撤去する
③それ以外の遊技機のうち、2020年5月20日~2020年12月31日が設置期限のものは年内に、2021年1月1日以降に設置期限を迎えるものは2021年11月30日までに撤去する。

※「沖ドキ!」は③それ以外の遊技機のうち、「2020年5月20日~2020年12月31日が設置期限のものは年内に撤去」に該当する。


撤去に応じた経営者と撤去を拒んだ経営者

ある県遊協の幹部であった若手経営者は、組合に幹部職の辞職願を提出した。理由は同県遊協の理事長が経営するホールが「沖ドキ!」を撤去していなかったからである。彼は、1月12日以降、県内の「沖ドキ!」未撤去ホールを、ホール4団体誓約書確認機関に通知し続けた。

彼は言った。「沖ドキ!」の撤去は業界全体の約束事であり、それは「業界との信頼をベースに(設置期限の)延長」を行った警察行政との約束事である、と。コロナ禍による経営ダメージはどこも同様である。しかし、今は個社個店の利益を最優先すべき時ではない。業界の未来をどう形作るかの大きな分岐点であり、全国多くのパチンコ店が苦しみに耐えながらその思いを支持している。そんな中で、彼は業界の約束事を反故にする経営者たちの姿勢を許すことができなかったのだ。

一方で「沖ドキ!」の撤去を拒んだ経営者にも言い分はある。

企業が利益を追求することは当たり前のことである。まして違法行為ではない。国が定めたルールの中で真っ当な商売をして何がいけないのか。個社個店にとらわれているわけではない。5年後の業界の未来を語ることも大事なのは分かるが、まずは明日の経営である。そもそも21世紀会の決議にどのような意味があるのか。今回の決議の遵守が、規制緩和につながるという論調がまことしやかに話されているが、それは何の担保もない話であり、業界団体の希望的観測に過ぎない。

まして隣のホールが「沖ドキ!」を撤去しない中で、自店だけが撤去に応じるわけにはいかない。もちろんリスクがあることは承知しているが、最後の最後は個社個店の経営判断である、と。撤去に応じた経営者にも、拒んだ経営者にも各々の「信念」がある。

 

茨城、愛知、栃木、そして警察庁

ホール4団体誓約書確認機関が発出したプレスリリース(2月3日付)には、都道府県別に、全機連に通知が行われた店舗数が通知店舗数順に付記されている。業界的には不名誉なそのランキングの上位3県は、茨城県(63店舗)、栃木県(26店舗)、愛知県(26店舗)である。そのすべての県では、県内有数の大手チェーン企業いくつかが「沖ドキ!」の撤去に応じなかった。

茨城県、栃木県では、県遊協が21世紀会決議を支持しつつも、「沖ドキ!」の撤去に関しては個社の判断であると明言し、多くの非撤去ホールを生み出す結果となった。特に深刻なのは愛知県で、大規模ホールによる100台規模の「沖ドキ!」再設置が敢行されるなど、明らかに他県とは違う様相を呈している。ともすれば、一部大手ホールの「沖ドキ!」の設置継続や再設置に影響され、同様の対応を取るホールが続出しかねない状況に陥るかもしれないと業界団体は強い危惧を覚えた。

このような状況下で、ついに警察行政が異例の対応を見せた。1月26日に開催された、パチンコ・パチスロ産業21世紀会において、警察庁生活安全局保安課・小堀龍一郎課長は、この旧規則機撤去問題について、6団体から撤去期限延長の要望があり、警察庁としては、業界団体による旧規則機撤去の取り組みに対する信頼をベースに規則改正を行ったとの従来の説明を行ったのち、「留意すべき点」として、ホールにおける旧規則機の取扱いについての踏み込んだ言及を行った。以下はその発言の抜粋である。

「旧規則機の撤去期限延長に伴い、旧規則機の設置が相当長期になっているホールがあります。ある遊技機が経過措置期間内にあったとしても、経年劣化による故障などにより、法令上の基準に適合しない状態で設置し続ければ法令違反となります。一方、部品交換するにしても正規に部品調達ができないとして、承認申請手続きを経ることなくして行えば、無承認変更などの法令違反となります。いずれも重い処罰の対象となります」

あくまで警察行政としては、21世紀会決議に反したホールを直接摘発はしないが、経年劣化などを理由とする当該遊技機の無承認変更等に関しては厳しく対処するという宣言である。

警察庁の「介入」により、業界を混乱に陥れた「沖ドキ!」戦争は終幕を迎えるのか。21世紀会決議の枠組みに沿った早期収束か、「ペナルティー」も厭わないホール側が結局「沖ドキ!」の余生をまっとうさせるのか。

「正義」の反対語は「悪」ではない。「また違う正義」である。「沖ドキ!」の撤去を推進する側にも、頑なに設置にこだわる側にも、それぞれの「正義」がある。果たしてどちらの「正義」に軍配が上がるのか。パチンコ業界は、正直者がバカを見ると言われて久しい業界である。やったもの勝ちという悪しき慣習が拭えない業界でもある。どちらの「正義」が勝ったとしても、今回の「沖ドキ!」戦争は、先々に消すことのできない禍根を残すであろう。

ホール4団体誓約書確認機関, パチンコ・パチスロ産業21世紀会決議, 沖ドキ!
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