「平成観光にイマジネーションを」店長5人組の挑戦に迫る

2020.06.29 / ホール

店舗の認知拡大のためにTwitterアカウントを活用するホールは、最近では珍しくなくなった。しかし、店長自らがアカウントを運用、しかもグループ店の店長も巻き込んだユニットを結成してTwitterを活用しているとしたらどうだろう?

今回PiDEA編集部は、6月1日から始動した平成観光の「Twitter四天王」プロジェクトを取材した。その発起人となったのはKEIZ LAPARK金沢店の小原信行店長だ。小原店長は、今年5月までKEIZ富山田中店で、「破天荒小原」を自称し周囲の注目を集めることに成功した人物だ。(旧アカウントは削除し、新アカウントとして〝転生〟済み)

平成観光の「Twitter四天王」に込められた思いなどを聞いた

「SNSをやるにあたってね、例えば『明日は何時開店ですよ』とか『コロナ対策はバッチリですよ』とか、そんなどこでも行われている当たり前のことを発信したって何にもおもろくないと思ったんですよね。やるなら、一歩先二歩先を考えて、1年後に見たときに『KEIZは先陣を切っていたなあ』と思われるような会社でいたい。もともと、平成観光ってそういう文化を持った会社だったので、その立ち位置に戻っていきたい」

同社のTwitter四天王プロジェクトが立ち上がったのは、同社部長・専務ら幹部の鶴の一声だった。会社としてSNSの活用に着目し始めたところ、社内ではいち早くTwitterを活用し先陣を切っていた小原店長に白羽の矢が立った。ミッションは平成観光に「イマジネーションをもたらす」こと。5月中旬には幹部による人選(小原店長以外)で4名に絞られ、6月1日にはTwitterアカウントが開設された。

 

そうやって集結したのが、小原店長と4人の店長である。

社歴12年、KEIZ LAPARK金沢店の小原信行店長(@8105ohara)。
社歴14年、KEIZ多治見店のスーパーSマシンこと、小野伸也店長(@heisei_ono)。
社歴16年、KEIZ土岐店のスーパーGマシンこと、西野茂之店長(@heisei_nishino)。
社歴19年、KEIZ中川運河店のスーパーKマシンこと、坂本達彦店長(@heisei_saka)。
社歴15年、KEIZ江南店のスーパーHマシンこと、谷藤洋介店長(@heisei_tanifuji)。

「正直いったらうちの会社は保守的になってしまっているんですよ。このままではなんとなくマンネリ化してしまって面白くない企業になってしまう。新しいことを始めないといけない。今回Twitterを始めた店長たちって、年齢的にはおっさんなんですけど、会社の中ではまだ若手なんですよ。その若手の店長たちが集まっていろいろやって、もっと上の店長たちを脅かすくらいの方が会社が活性化していくんじゃないかと」

 

店長自らやるべきやと思います

平成観光のSNS活用のスタンスは、一定のルールを設けてやりすぎないようにするものの、法や規制に抵触しないバラエティー企画は、各店長の裁量で自由にできる、というものだ。各店長のキャラを生かしたいという思惑に、過去からの反省を加えた折衷案だと言えるだろう。

というのは、小原店長はかつて、「破天荒」という二つ名を冠するアカウントで有名な名物店長だったからだ。富山県のパチンコユーザーでは知らぬ者はいないほどだったという。

「しくじり先生、じゃないですけど。学ぶことも多かったです。富山にいたときはイキったこともたくさん言いました。その失敗を生かして、また違ったやり方で新たな気持ちで始めたのがこのTwitterなんです。

 こういうSNSは、やるんだったら店長自らやるべきやと思います。SNSを通じて店長に直接クレームを言って、それが聞き入れられたとなったら、お客様も少なからずKEIZのことを理解してくれるでしょ。商売の原点って、そういうところだと思います」

アカウントを開設したばかりの今は、大食いをしたり、罰ゲーム企画をしたり、この5名で面白いことをやっていくつもりだという。業界関係者のフォロワーが多いが、今後は異業種とのコラボに着目している。「早ければ今年中には、パチンコ店と異業種のコラボが当たり前になっていると思います」と小原店長は将来を見据えている。

 

 

会社を活性化させたい

「ただTwitterでアホやるだけじゃなくて、それが何につながるかを考えなければいけないと思ってます。一番は業績につなげられたらいいですけど、東京とかの大都会ならともかく、僕らが店長をしている地方の店舗だと、Twitterの影響力ってどれぐらいなのかというと疑問が残る。

 だから業績じゃなくて、むしろ社内に波及する影響の方が大事なんじゃないかと考えています。若手の店長たちが、いろいろやって、上の世代の人たちを突き上げていって、従業員やアルバイトの子たちには、僕たちの姿を見て『私も興味あるからTikTokとかInstagramやってみたい』と言ってもらえるように、良い影響を与えたいんです」

 

小原店長は「平成観光らしさ」という言葉を強調した。「昔の平成観光ってもっとワイワイやっていたやんと。それは出入りするお取引会社様の方々も言ってくれていた。みんなそう思ってくれていたんですよ」 自らのアクションを通して、それが広まって行くことにより空気を変えることができる。そういうポジションにいることを、店長たちは自覚しないといけないのだ。

 

「業界は変えていかいないといけないと思っています。綺麗事になるかもしれないけれど、業界人として手を取り合って、一緒に盛り上げていこうと。お客様の取り合い、っていうのはその上で成り立つ競争だと思うんで。
 率先して店長たちが、パチンコ業界の外の人たちも巻き込んで、パチンコという産業を認めてもらう。それがパチンコの未来じゃないかと思います。
 変えてやろうって気持ちはみんなあると思いますよ。心の中で思っている人はたくさんいると思います。僕は秘めずに口に出しちゃうタイプですけど」

 

 

 冗談めかした最後の言葉は、しかし本当のことなのだろう。取材の終わり際、小原店長はこう言った。「2年後、うちの店を一番店にするので、そのときにまた表紙にしてください」

 

小原店長とKEIZTwitter四天王それぞれのアカウントはこちらから:

小原店長 - @8105ohara
スーパーSマシン店長 - @heisei_ono
スーパーGマシン店長 - @heisei_nishino
スーパーKマシン店長 - @heisei_saka
スーパーHマシン店長 - @heisei_tanifuji

スーパーSマシン店長こと小野伸也店長が表紙を飾るPiDEA167号は7月15日に発行。「今月のPiDEAな男」では小野店長を特集します。あわせてご覧ください。

平成観光, Twitter, SNS, 異業種