拡がる休業ホール駐車場有効活用/ドライブスルー形式の弁当テイクアウトで地域貢献

2020.05.03 / 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染は依然収束が見通せず、「緊急事態宣言」の延長も現実味を帯びてきた。全国のパチンコホールは都道府県からの休業要請や休業指示を受けて、大多数の店舗が休業に入った。「休業のまま倒産も有り得る」など、悲痛な声をあげるホール関係者も多い。
そんな中、一部ホールは「パチンコ業界として今だからこそできることがあるではないか」と考え、医療機関へのマスク寄贈や地域住民へ酸性電解水の無料配布、自店駐車場を活用した献血活動、ドライブスルー形式でのテイクアウト弁当の販売などをはじめた。特に休業中のホール駐車場を利用したテイクアウトの弁当販売のドライブスルーは複数の企業、店舗が実施しており拡がりを見せている。
今回はそのひとつ、栃木県足利市でドライブスルー形式のお弁当テイクアウト=「テイクアウトマルシェ足利」をはじめたニュー丸の内緑町店の担当者に話を聞いた。


娯楽産業として地域に寄りそう活動をしたい

「テイクアウトマルシェ足利」の準備、実行をメインで担当したのはニュー丸の内緑町店(志賀産業株式会社)の栫(かこい)さん。まずはドライブスルー形式の弁当販売をはじめることになった経緯を聞いた。
「弊社のオーナーが、石川県のホール『ディーダス1137』さんがドライブスルー形式の弁当販売をはじめたことを聞きました。それで同店のオーナーさんと知りあいだったこともあり、ノウハウをうかがい、ウチもやってみようということになりました」
石川県金沢市のディーダス1137駐車場を解放してはじまったドライブスルー形式の弁当販売所「テイクアウトマルシェ金沢」は、4月23日開設。この販売所も実は「ディーダス1137」を運営するダスラーグループが富山県で同様の試み「テイクアウトマルシェ富山」を見て実現に至ったもの。富山から金沢、そして今回栃木県足利市に活動が拡がったということである。

「今の状況は日本全国で元気が失われてしまった東日本大震災の時に酷似しています。パチンコは地域住民の方に愛されることで成り立つレジャー産業なので、こんな時だからこそ地域の方々をサポートできるような、何か寄りそうような活動ができないかと考えていました」と栫さんは活動の動機を語る。近隣飲食店は、不要不急の外出自粛の影響で、大幅な売り上げダウンを余儀なくされている。そういった状況を少しでも改善できる手助けができないかということで、栫さんはわずか1週間程度の準備期間で付き合いのあった飲食店に声をかけて、今回の「テイクアウトマルシェ足利」を実現させた。足利、佐野、太田地域の飲食店有志が集まり、からあげ弁当やハンバーグ弁当、カルビ弁当など14種類のメニューを用意している。

「賛同してくれた飲食店の方々の売り上げ協力や宣伝、また購入していただけるお客さまにとっては、3密を避けての食事サポート、家での料理作業の軽減などが見込めるのではないかと考えています」と「テイクアウトマルシェ足利」の利点を話す栫さん。準備期間が短かったこともあり、店舗の会員にDMを送るくらいしか宣伝はできていなかったというが、取材日は1時間足らずで70〜80食くらいの弁当が売れたという。中には店舗に通う常連の老夫婦が「顔を見にきたよ」と栫さんを訪ねてきたそうだ。

いまだ営業を続けるパチンコホールもあり、業界に対するバッシングは日に日に強くなってきている。しかし、一方で地域に根付いた営業を続けるパチンコ店の支援活動は少しずつ増えている。「パチンコは娯楽産業で不要不急を自粛する現状ではバッシングされるのは致し方ないのかなと思います。それぞれの店舗さんに事情があるので軽々しく言えませんが、我々は今回のような地域貢献活動を続けて行き、事態が収束して近隣住民の方々が、心からパチンコが楽しめる時が来るのを待ちたいと思います」と栫さんは語ってくれた。


「テイクアウトマルシェ足利」(ドライブスルー型弁当販売)概要
●開催日時
5月2日、3日、4日、5日、6日
11時〜14時(売り切れの場合は早く閉まる可能性あり)

●開催場所
ニュー丸の内緑町店 駐車場
栃木県足利市緑町二丁目23-4

●公式ツイッター
@takeoutashikaga

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