コロナショックに負けない投資の考え方②【FP王子の知っトクお金の秘密】

2020.04.29 / 連載

年金問題に消費増税。膨らみ続ける金融不安や悩みなど〝お金のアレコレ〟に人気ファイナンシャルプランナー高橋成壽が斬りこむ!

コロナ暴落-ショック-に負けない
上手に資産を育てる投資の考え方

【後編】

2020年がスタートして早3カ月。年末頃から騒がれていた新型コロナウイルスの影響は予想以上に大きく、3月半ばには世界中の株式市場が大暴落・大暴騰を繰り返し混迷しました。

日本市場の代表的な指標である日経平均株価はリーマンショック後の1万円割れ時から徐々に回復し、昨年末には2万4000円台付近を推移していました。しかし3月17日には3割以上の大暴落を起こし1万6000円台まで下落しています。
もう、株式投資はこりごりだと思った人も多くいるでしょう。

投資をしている人が今回のような暴落でも落ち着いているためにはどのような考え方で臨めばいいのでしょうか?
色々な手法があるので一概に正解と呼べるような考え方は少ないですが、投資先や商品の違いを知って考えていきましょう。

 

お金を預ける商品の違い


お金を預ける商品は金融機関毎に特に代表的なものが存在します。銀行は「預金」、保険会社は「保険」、証券会社は「株式」「債券」「投資信託」があり、これについてもう少し詳しく見ていきましょう。

 

・預金

銀行にお金を預けると預金口座にお金が保管されます。
一定期間ごとに利息を受け取ることができるのは誰でも知っているでしょうが、その裏側・仕組みはどのようになっているのでしょうか?

お金を預かった銀行側は利息を支払うためにお金を増やす必要があります。そのため預かっているお金を銀行として投資するのです。
投資先は主に2つ、債券と貸付です。

債券の銘柄は主に国の発行する国債です。ちなみに国債は私たち個人も買うことができます。
預かったお金で国債を購入し利息を得て、そのうち一部を預金利息として還元することになります。

貸付は企業に対し「融資」という形でお金を貸して金利をもらうということを行います。
あるいは住宅ローン、マイカーローン、教育ローンといった名称で、目的に応じてお金を貸して金利をもらう仕組みになっています。
金利をもらうのは銀行側で、借りている人が金利を払います。

 

・保険

保険は保険料を支払うことで病気や事故など何かあった際に保険金を受け取ることができます。

掛け捨ての保険で何も起きなかった場合には支払った保険料の還付はありませんが、保障を受ける際には支払った額より多い保険料をもらうことも。この差額は銀行と同様に保険会社が投資で増やしたお金が活用されるのです。

保険料として保険会社に預けられた資金は主に債券、株式、不動産の3銘柄に投資されます。債券については銀行の預金と同様に国債に投資されるほか、社債といって企業の発行する債券にも投資されています。

株式は一般に想像する通りの株式取引同様、上場会社の株式購入です。保険会社が上場企業の大株主として企業経営に関与しているのをよく見かけるかもしれませんが、これが理由です。

不動産についてはあまりなじみないかもしれません。でも街中で〇〇生命ビルという建物をたまに目にしますよね? あれは保険会社が所有している建物で、家賃収入で資金を増やしているのです。もしかすると日本で一番大きな大家は保険会社なのかもしれませんね。

 

・投資信託

そもそも投資信託とは、購入者から集めたお金をひとまとめにした大きな資金をもとに、証券会社の専門家が株式や債券などに投資・運用し、購入者にはそれぞれの投資額に応じて運用成果が分配される仕組みの金融商品です。日本で販売されているだけでも1万3000種類あると言われています。(一般社団法人投資信託協会HPより)

その中でも目的別に大きく①株式市場連動タイプ(インデックス、パッシブ)、②株式市場非連動タイプ(アクティブ)に分かれます。

①の株式市場連動タイプは各国の株式市場にそのまま投資したような成果が得られる資金配分の商品のこと。
②の株式市場非連動タイプは商品ごとに独自のコンセプトや投資手法を設定し、株式市場を上回るような成果を目指します。

このように書くと②株式市場非連動タイプの方が優れているように感じられるかもしれませんが、結果としてどちらの商品がお金を増やしてくれるかは買うタイミングと売るタイミング次第です。

 

最後になりますが、どのようにお金を増やしたらいいのかという疑問をお持ちの方に対して、1つの答えをお伝えします。それは、「どこに資金を預けるとお金を増やしてくれるか」という視点を持って、商品を吟味していくことです。
つまり株式、債券、投資信託などどの商品がお金を増やす可能性が高いのか、あるいは損する可能性が少ないのかを自分なりの視点でしっかりと考えてお金を預けることです。

日常生活の中で実際に銀行を選んだり、保険会社を選んでいる時点で意識的に考えていないだけで取捨選択していることになります。この感覚をもっと意識的に広げて投資先を考えるということが重要です。
これからあなたの大切なお金を預けるとしたら、あなたにとって安心な投資先はどこになるのでしょう。一度考えてみてください。


著者プロフィール

高橋成壽

慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融系のキャリアを経て2007年にFP事務所を設立。2020年より東海大学湘南キャンパスで非常勤講師としてお金の授業を担当。
超富裕層向けの資産保全サービスを提供する寿FPコンサルティング、富裕層向けの資産運用サービスを提供する寿アセットマネジメント、現役世代を応援するライフデザインセンターを経営。無料のライフプラン相談サイト「ライフプランの窓口」、無料のマイホーム相談サービス「住もうよ!マイホーム」、保険見直しサービスの「保険チョイス」を運営している。

ライフプランの窓口https://www.lifeplannomadoguchi.com/

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