もしもコロナに感染したら収入はどうなる?①【FP王子の知っトクお金の秘密】

2020.05.06 / 連載

年金問題に消費増税。膨らみ続ける金融不安や悩みなど〝お金のアレコレ〟に人気ファイナンシャルプランナー高橋成壽が斬りこむ!

もしもコロナに感染してしまったら……

働けない時に生活を守る制度
【前編】

新型コロナウイルスの感染拡大対策として、外出自粛要請や休業要請などが行われています。もしかしたら身近な人や大切な人が感染したという人もいることでしょう。
また自分自身が新型コロナに感染してしまったらどうなるか、と不安に感じている人もいると思います。

もしも皆さんが新型コロナに感染してしまった場合、何か助けになる制度を使えるのか?
今回は感染してしまった場合に役立つ公的制度について解説します。


誰もが使える健康保険


新型コロナに限らず、病気や怪我などで医療を必要とする場合には、そもそもどんな制度があるのかを知っておきましょう。
また、それぞれの制度は所定の要件に該当しなければ利用することができません。ですからまず初めにするべきは、制度の中身を知り、ご自身がどの制度に該当するかの目星をつけることです。

主に病気の場合に利用する制度としては、多くの人がご存知であろう「健康保険」があります。
ただ一口に健康保険といっても、詳しくみると大きく4種類に分かれています。

  1. 国民健康保険
  2. 全国健康保険協会・組合健康保険(以下略:協会けんぽ)
  3. 共済組合
  4. 後期高齢者医療制度

日本在住の方は、基本的に上記いずれかに加入しているはずです。

また、後期高齢者医療制度を除いて通常の健康保険であれば病院やクリニックで診察を受けた場合、支払いの3割が自己負担、7割が保険制度の負担となります。
後期高齢者医療制度では、収入の多寡で自己負担の割合が1割、2割、3割と変わってきます。


それぞれの制度の特徴


①国民健康保険

一般的に「こくほ」と言われる制度です。

自営業やフリーランス、会社を定年退職し後期高齢者医療制度に加入する前の人、無職の人などが加入の対象者。
保険料は前年の収入に応じて決まります。


②協会けんぽ

会社勤めの人の健康保険制度です。

大企業は「組合健保」と呼ばれる自前の健康保険制度があり、それ以外の人は国が運営する健康保険制度である「協会けんぽ」に加入します。
保険料は、毎月の給与額によって決まります。
勤務先を退職した場合には一定期間継続して加入できますが、所定の期間終了後に①の国民健康保険へ加入しなければいけません。


③共済組合

公務員の人の健康保険制度です。

一般の健康保険より保険料などの条件が有利だと言われていますが、今こちらをご覧になっているパチンコ業界の方々の中には対象となる方がいないと思いますので、詳細は割愛させていただきます。


④後期高齢者医療制度

①~③の制度に加入していた人が75歳になると、後期高齢者医療制度に加入することになります。

保険料は前年の収入に応じて決まります。さらに自己負担の割合も収入に応じて定められます。


このように日本ではすべての国民が何かしらの健康保険に加入できる環境があり、誰しもが医療費の負担を少なく抑えて診察や治療を受けることができます。また生活保護の対象となると、医療費負担はなくなります。
しかし海外では健康保険制度がなく、医療費が全額自己負担となり治療を断念するしかないような状況の人もいます。


コロナ感染拡大で注目されるオンライン診療

現在、医療機関を受診するにしても、院内で新型コロナウイルスに感染しないとも限りません。
そのため感染リスク軽減のために受診を控えている人もいるでしょうし、医療機関でも診療を制限することがあります。
そのような時に活用できるのがオンライン診療です。

オンライン診療は、まだまだ馴染みがありません。しかし今回の新型コロナウイルスの影響で、これまで通院していた人や新しく医療サービスを受けたい人が自宅に居ながら医師の診察を受けられ、さらに処方箋も出せるなど心強い仕組みです。

対応している医療機関は少ないですが、インターネットでオンライン診療可能な医療機関を探せば出てきますし、専用のポータルサイトもあります。興味のある人は検索サイトで「オンライン診療」と検索すると複数のサービスやアプリが見つかりますので、一度探してみるとよいでしょう。


著者プロフィール

高橋成壽

慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融系のキャリアを経て2007年にFP事務所を設立。2020年より東海大学湘南キャンパスで非常勤講師としてお金の授業を担当。
超富裕層向けの資産保全サービスを提供する寿FPコンサルティング、富裕層向けの資産運用サービスを提供する寿アセットマネジメント、現役世代を応援するライフデザインセンターを経営。無料のライフプラン相談サイト「ライフプランの窓口」、無料のマイホーム相談サービス「住もうよ!マイホーム」、保険見直しサービスの「保険チョイス」を運営している。

ライフプランの窓口https://www.lifeplannomadoguchi.com/

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高橋成壽, ファイナンシャルプランナー, 新型コロナウイルス, 健康保険, 経済, FP王子