[書評]部下を育てるためにリーダーが学ぶべきこと

2016.04.25 / 連載

PiDEA編集部がオススメの書籍を紹介していく不定期連載!
第四回 藤咲徳朗著「ぐんぐんと部下が育つリーダーの55の成功習慣」(2016年 セルバ出版)


新年度が始まる4月。新しくリーダーとなり、部下を指導する立場になった人もいるだろう。どんな指導をしようか? どうすればリーダーとしての役割を果たせるか? 新リーダーはそれぞれ「理想のリーダー像」を思い浮かべながら、日々奮闘していることだろう。

しかし、現実はそう上手くはいかない。良かれと思ったやり方でも、思うような成果を上げられなかったり、部下の反発を招いたりすることもある。そんな時に、ただ頭を抱え込んでいても始まらない。一度深呼吸をして、自分の「理想のリーダー像」を見つめ直すのが大切だ。

さらに、プロの知恵を借りることができれば心強い。今回紹介するのは、藤咲徳朗著「ぐんぐんと部下が育つリーダーの55の成功習慣」(2016年 セルバ出版)だ。

著者名の「藤咲徳朗」は、当webサイトでおなじみのキャリアコンサルタント・藤崎敏郎氏のペンネーム。株式会社パートナーズリンク代表取締役として、パチンコ業界の人材育成に注力している。また、年間300日・100社以上の社員研修を開催。新リーダーから経営陣まで幅広い支持を集めている。

本書の特徴は、「失敗するリーダー」と「成功するリーダー」の両方を紹介している点だ。例えば部下との話し方について、藤咲氏は「部下指導に失敗するリーダーは話してばかりいる。部下指導に成功するリーダーは聞き上手」と語る。部下から相談を受けると、上司は「アドバイスしなければ!」と思うあまり、自分の意見ばかりを話してしまいがちだ。そうではなく、まずは徹底的に聞き役に回り、部下に「話を聞いてもらえた」という実感を与えるのが重要だ。「話を聞くと決めた成功するリーダーの話す割合は、1割程度です。9割は、じっと耳を傾けて部下の話を聞いています」と、藤咲氏はアドバイスを送る。年間100社以上を訪れ、多くのリーダーを見てきた藤咲氏ならではの説得力だろう。

同じ「部下の相談に乗る」という目的でも、リーダーの意見を押し付けるのと、部下の気持ちに寄り添うのとでは、結果はまったく異なるだろう。いくらリーダーが理想に燃えても、独りよがりでは元も子もない。それを回避し、自分なりの「理想のリーダー像」を磨いていくために、本書は大いに役立つはずだ。

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