藤崎敏郎「経営者が想像できないことを提案し実行する」

2016.04.15 / 連載

【金曜】藤崎敏郎の人材育成セミナー
第93回「経営者の望むこと」

本気で仕事をしている社長の望むことはどういうことか分かっていない部下が多いと感じています。特に創業経営者タイプの経営者の考え方を分かっていないと感じるケースが多いです。仕事の仕方で、三つのタイプの部下の事例で考えてみましょう。

【三つのタイプの部下】
①    社長から言われたことを忠実に実行する。それもプラスアルファ―の価値を付け加える
②    社長が何を考えているのかを推測して、それに合った提案をして行動して成果を出す
③    社長が何を考えているかよりも、会社にとって何が必要かを自分で考えて提案し行動して成果を出す

いずれも素晴らしい部下だと感じるかもしれません。社長の性格や仕事ぶりによって、いずれも正しいとされるかもしれません。①②③の優先順位も違ってくるかもしれません。

ただ、もし、これが社長の直近の経営幹部の部下だとしたら、①と②だけだと社長から見ると、仕事ができない経営幹部だと判断されるのではないでしょう。いつまでも社長に頼り切っているからです。

役職で言うと部長以上の役職の人は③でないとならないと私は思っています。特に、取締役になっている人は、間違いなく③が役割になります。

ところが、いつまでも社長の指示命令のままの仕事をすることや、社長の意図をつかむことばかりを考えている経営幹部が多いのです。大企業から中小企業からスカウト採用された経営幹部が失敗するのは③の考え方ができないからです。

そして、①と②の経営幹部ばかりが集まっている会社は社長に頼り切っているので、会社を大きくしないほうがいいかもしれません。会社が大きくなるためには、社長の役割を果たせる人が何人もいなくてはならないのです。

ある社長が次のように部下を叱っていました。「私の考えることができるようなことを提案しなくていい。そんなことは私ができるんだから! あなたには、私が考えもつかないようなことを提案して実行して欲しい。それを期待している」

私の社員研修の考え方もこれです。その会社にとって何が大切かを考えて、社長が想像できないようなカリキュラムと講義のやり方で成果を出すのが私の役割だと思って社員研修をしています。

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◯プロフィール 藤崎敏郎(ふじさきとしろう)
・株式会社パートナーズリンク社長 ホームページ⇒http://p-link.co.jp

元セブン&アイグループの本社スタッフ。パチンコ企業にスカウト採用され、営業部長、そして、社内大学のメイン講師として活躍。その後、キャリアコンサルタントと社労士資格を取得して独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでのコンサルティング企業数は延べ300社以上、研修の受講者数は15万人を超える。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修講師と評判が高い。

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