高橋正人「高尾の貞子を超考察」

2015.03.19 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第41回]CR貞子3D超研究

4月5日週リリースされるパチンコ機種「CR貞子3D WXA」。以前の「リングシリーズ」は「藤商事」リリースされていましたが、今作は「高尾」からのリリースとなる。この辺りがさまざまな考察を生む理由となるが、キーワードは「顧客目線」、ホール目線」で考えてみたいと思う。

■まずはスペックの再確認。
【納期関連】・・・「4月5日」週〜リリース。参考販売台数は「20,000万台」想定。【確率関連】・・・特賞確率=1/387.6(高確=1/96.9)・通常後時短=100回。確変ST突入=50.0%・継続=100%・ST回数=155回転(モード連チャン率=79.97%)。
【出玉関連】・・・「賞球=3&3&3&14」・「アタッカー=10カウント」。出玉=「1R=130個」「10R=1,300個」「13R=1,690個」「10R=2,080個」

■コンテンツの概略
映画の初公開は「2012年5月12日」で、二作目が「2013年8月30日」に公開され、同作のDVDは2014年2月28日にリリースされている。また現在、「貞子3D2」のスマ−トフォン公式アプリとしての「スマ4D」がある。無論、映画としては『リング・らせん・リング2・リング0バースデイ』に続く、映画5作品目となる。

■コンテンツの評価目線について
遊技機自体の作り込みは『そこそこある』として、最大の問題は【お客様の感覚】になると思う。パチンコ遊技客から見れば『リング(貞子!?)の4作目!?』と言う部分になる。従来の「藤商事の開発チーム」と「高尾の開発チーム」は別のモノであって、メーカーの意図・感覚・主義等々、様々な違いがあると思われる。この点に対して、打ち手から見たら『以前のリングと違う』となる事は必至だが、それが『面白い!』となるのか?それとも『違和感があって嫌だ』となるのか?非常に微妙な観点でもあろう。また、【3D】に拘る事により、画像処理への集中力が削がれる可能性もあり、『OFFに出来ます』とは言え、その「ON・OFF」されている現状が判断しにくい様になっているのは、どうしたのでしょうね(汗)

■スペックに対して
【1R特賞】があるが、いわゆる「突確扱い」であって、『V確入賞させなければならない』ので、いたしかたない現実。16R特賞については、「特図2」抽選のみであって『初当り時には10Rとなる』。しかしこのST中の「16R50%」に比率は、同時リリースされる【絶狼】との比較になる可能性が高く、いかがなものであろうと疑問を呈してしまう。

■「リング3(MAX)」とのスペック比較
①:【確変ST継続率】については、「貞子=約80%」「リング3=約81%」と、体感できる程の差では無い。

②:【ST仕様】の違和感では、「突入率」が「貞子=50%」「リング3=100%」と、全く異なる仕様である。つまり、2回に1回は通常10Rで終わると言う事に、打ち手はどう反応するのであろうか?

③:【ST中の16R比率】では、「貞子=50%」「リング3=60%」と、やや「リング3」が高い比率となっているが、その他の特賞が、「貞子⇒10R=31.6%・13R=18.4%」に対し、「リング3⇒4R=35%・突確=8%」となり、出玉の安定感では、『貞子の方が安定している』と言えるであろう。

④:【ST回数】も懸念材料一つであるが、「貞子=155回」「リング3=84回」と約2倍近い数値である。仮に「SA値」が同じ様な数値であれば、『ST消化時間もほぼ2倍になる』訳で、玉減り度合いが違ってくる事で、打ち手からみたら、『今度の貞子は、玉減りが大きい』と言う「マイナス査定」される可能性がある事は、承知しおいてほしい。

<総評>
【集客貢献力】は高い。以前の『「藤商事・リング」がそれなりの成功』となっている以上、『今度の貞子はどう?』となる事は必至であろうし、メーカーが違う事を知れば知ったで、『こっちの水は甘いのか?』的な発想となると感じる。ただ、【稼働貢献力】に対しては、私自身「さほど評価していない」事もまた事実。最大の弱点は「ロングST」と言う時流に乗ってしまっている事が、最終的に『その他大勢』として評価されなければいいのだが・・・。いずれにしても、藤商事も【リング4】のリリース準備はしている事だろうし、今後の動向に注目したい。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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