藤崎敏郎「聴く耳をお持ちですか?」

2016.08.18 / 連載

【金曜】藤崎敏郎の人材育成セミナー
第111回「積極的傾聴をする」

話のきき方には2種類あります。次の二つです。

1/「聞く」 相手の話を耳に入れていますが。相手の表情や意図をきちんととらえていないきき方です。このようなきき方では、相手の本音をききだすことはできません。

2/「聴く」 相手が話しかけてきたら、きちんと向き合い、相づちなどを打ちながら、話を最後まで理解しようとするきき方です。単なる話の内容や事実ばかりでなく、相手の感情までも理解しようとする態度が必要です。

相手の話をきくときには、「聴く」姿勢でなければなりません。「聴く」ためには、相手の身になり、相手の目を通して、その世界を見ること、つまり相手とともに考え感じることが必要です。これを「共感的理解」といいます。

「共感的理解」をするためには、相手の立場からものを見るとともに、相手に対しても相手の立場からものを見ていることを伝えなければなりません。この際のポイントをあげると①相手の感情・思考を理解して受け止めること、②相手の感情・思考の引き金になった背景・状況を理解すること、③理解していることを相手に示すことなどがあります。

そして、これらのことを理解して積極的傾聴をすると良い話の聴き方になります。積極的傾聴とは、聴いたことの中から事実や感情を積極的に理解する努力をして、さらに相手が自分自身で問題を解決できるように援助してあげることをいいます。

積極的傾聴を実践するための5つのポイントがあります。

【①批判的・忠告的態度を捨てる】
批判や忠告は、本人を自己防衛の殻に閉じ込めてしまいます。

【②本人の言っている意味全体を聴く】
本人の言っていることの「事実」と「感情」の両方をしっかりと受け止める必要があります。「事実」を受けとめるとは、本人の言っている内容を正しくつかむことです。これは、自分の言いたいことや考え方をひとまず脇において聴くことによって可能となります。感情を受け止めるとは、言葉の背景に潜む本当の気持ちを理解することです。これは、本人の気持ちになって聴くことよって可能となります。

【③フィードバックを用いる】
フィードバックとは、本人の行動から推測される意味を自分なりの言葉で要約し、確かめることです。事実のフィードバック、感情のフィードバック、要約のフィードバックなどがあります。うなづきや相槌もフィードバックになります。

【④言葉以外の表現にも注意する】
コミュニケーションで伝わる内容のうち、言葉で伝わることはごく小さな部分にすぎません。言葉以外の、声の質や大小、イントネーション、表情や身振り手振りなどによって、多くのことが伝わってきます。

【⑤感情の高ぶりをおさえる】
本人の話をきいて怒ったり、不機嫌になっているような人は、とても積極的傾聴ができる状態にあるとはいえません。感情的になってしまったときには、一呼吸おくか、あるいは自分がなぜ感情的になったかを考えます。

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●プロフィール 藤崎敏郎(ふじさきとしろう)
・株式会社パートナーズリンク社長 ホームページ⇒http://p-link.co.jp
元セブン&アイグループの本社スタッフ。パチンコ企業にスカウト採用され、営業部長、そして、社内大学のメイン講師として活躍。その後、キャリアコンサルタントと社労士資格を取得して独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでのコンサルティング企業数は延べ300社以上、研修の受講者数は15万人を超える。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修講師と評判が高い。

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