藤崎敏郎「明日、社長が倒れることすら想定しよう」

2016.05.12 / 連載

【金曜】藤崎敏郎の人材育成セミナー
第97回「“想定外でした”って本当かどうか!?」

何か問題が発生すると「想定外でした」と答えているリーダーはいないでしょうか。これって、言葉の使い方を間違っているケースがあります。何も考えていないことを想定外と言うリーダーがいるからです。

想定外という元々の意味は、事前に想定した範囲を超えていることを想定外と言います。何も考えていなかったとしたら、これは無作為(何もしなかったこと)が、問題発生の原因ということです。

優秀なリーダーは、何か仕事をするときには、できるだけ多くの課題を見つけていきます。発生しないような課題についても事前に想定して、対応策を練っています。万が一のケースも想定しているのです。

万が一のケースに対応することを不測事象対応と言います。例えば、昨日まで社長が元気だったとしても、もしかしたら倒れるケースも想定していないとなりません。これは、社長側近のリーダーの一番大きな役割です。社長が脳梗塞で倒れて死亡してしまったから、会社の経営が傾いてしまったというのでは話になりません。銀行対応やお取引対応に先手を打って出るのが不測事象対応です。このようなケースで「想定外でした。まさか社長が倒れるとは思ってもいませんでした」と言うようでは、社長の側近のリーダーは務まりません。

最近の事例では、「まさかいつも一生懸命に働いていた部下が辞めるとは思っていませんでした」という声を複数の会社で聞いています。そして、実は、そう思っていたのはリーダーだけで、他の社員は早くからその気配を感じていたというケースがあります。部下の声を聞く、話をする、観察する等、部下のことを気に掛ける時間を取っていなかったことが原因なのかもしれません。

リーダーは、時間を取って万が一のようなケースの課題について対応策を考えておかなければなりません。特に経営者は、その道の専門家たちとの交流を深めて、未来を見据えた万が一の対応策を検討しておきましょう。その際には、人口学、心理学などの知識と、人間力の向上が、正しい選択の土台となります。

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◯プロフィール 藤崎敏郎(ふじさきとしろう)
・株式会社パートナーズリンク社長 ホームページ⇒http://p-link.co.jp

元セブン&アイグループの本社スタッフ。パチンコ企業にスカウト採用され、営業部長、そして、社内大学のメイン講師として活躍。その後、キャリアコンサルタントと社労士資格を取得して独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでのコンサルティング企業数は延べ300社以上、研修の受講者数は15万人を超える。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修講師と評判が高い。

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