藤崎敏郎「すぐやろう!褒めるマネジメントで退職率減少」

2016.04.28 / 連載

【金曜】藤崎敏郎の人材育成セミナー
第95回「褒めるのがなぜ苦手なのか」

私は浅草に住んでいるのですが、土地柄よく外国人旅行客に声をかけられます。「地下鉄はどこか」「レストランの場所はどこか」など、英語でたずねられるのです。こんな時スムーズに会話ができればいいのですが、なかなかうまくいきません。話をしようにも、まず英単語が出てこないのです。単語が出てくれば後は身振り手振りで伝わるのですが、まず最初の一言が出てきません。

実は、褒めるのが苦手な人も同じ理屈です。言葉や単語が出てこないから、相手を褒められないのです。

私は日本各地で「褒め言葉セミナー」を実施し、その中で「褒め言葉の単語を10分間に何個書けるか」というテストをしています。平均的な数は20個ですが、中には10個ほどしか書けない人もいます。私の講師仲間には、「一流企業の管理職ほど褒め言葉を書けない」と話す人もいました。つまり、日頃から部下の欠点や間違いばかり指摘しているので、褒める言葉が浮かばないのです。

人を褒めるには、まず言葉を覚えなければなりません。例えば学校で英語を学ぶ時、単語を一個ずつノートに書いて覚えていたと思います。これと同じように、褒め言葉をノートに書いたり、口に出したりしてみてください。すると単語が記憶に残り、いつでも思い出せるようになります。

よく勘違いされますが、褒めるのは誰でもできることではありません。上手に褒めるには、それ相応の努力が必要なのです。幼稚園や小学校で「あいうえお」を一つずつ書いて練習したように、褒め言葉も単語の練習をしなければなりません。「褒めるのが苦手だ」という人は、単に努力していないだけではありませんか?

私のセミナーでも、「褒め言葉カード」を使った研修を繰り返すうちに、皆だんだんと褒めるのが上手くなります。すると仕事でもチームワークが良くなり、結果として退職率が減少するのです。社員が辞めなくなれば、当然業績の向上にもつながります。

以前とあるレストランで講師をしていた時のこと。私は毎月管理職を集め、「褒め言葉カード実習」と「人間力向上研修」を2年間続けました。すると、業績が10%アップ。今年の5月には、新たに2店舗をオープンするそうです。

私はその店で、グランドオープン研修も任されました。「褒め言葉カード」を使って、約30名のスタッフの気持ちを一つにできると思うと、今からとても楽しみです。

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◯プロフィール 藤崎敏郎(ふじさきとしろう)
・株式会社パートナーズリンク社長 ホームページ⇒http://p-link.co.jp
・一般社団法人日本アミューズメントコンプライアンス協会理事長 ホームページ⇒http://www.jamca.net/

元セブン&アイグループの本社スタッフ。パチンコ企業にスカウト採用され、営業部長、そして、社内大学のメイン講師として活躍。その後、キャリアコンサルタントと社労士資格を取得して独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでのコンサルティング企業数は延べ300社以上、研修の受講者数は15万人を超える。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修講師と評判が高い。

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