業界誌最速⁉︎設定付パチンコ実戦・設定を体感できるのか?

2018.08.22 / 連載

8月20日よりついに導入が始まった設定付パチンコ機。導入されたのはSANKYOの「PF革命機ヴァルヴレイヴ」、高尾の「P弾球黙示録カイジHIGH&LOW ざわっ・・・Ver.」と「P学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド 毒島Ver.」の3機種。この中で特に注目度が高いのが「PF革命機ヴァルヴレイヴ」だ。

今回登場した3機種とも、すでに同タイトル機が旧規則で登場していて、スペック違いといった感じ。特に高尾の2機種は元機種から大当り確率を下げて、そこに設定を付与した形だ。ちなみに今回の新規則ではパチスロ同様に6段階の設定を設けられるが、高尾は「A/B/C」の3段階で、設定Aが最高設定となる。一方の「PF革命機ヴァルヴレイヴ」は6段階の設定を搭載し、元の旧規則機種と内部のシステムが大きく変更されている。この「ヴァルヴレイヴ」こそ6段階設定付パチンコ第1弾ということで注目を浴びているのだ。

ちなみに、設定付というファーストインパクトだけが注目の理由ではなく、設定6は出玉率が120%にも迫るということもプラス要素となっている。出玉率120%となると数値だけみればパチスロ旧基準機を上回る。この設定6を使いこなせればパチンコ集客に希望が持てると考える店舗も少なくないだろう。一方で、設定差を見て「この数値では出玉アピール・コントロールはできないだろう」と最初から見送る決断をした店舗もあるだろう。ただ、双方とも疑問もあるのではないだろうか?
設定6を使ったとして出玉アピールできるのか? 設定が入っていることにユーザーが気づくのか? 集客につながるのか?

コンサルタントやデータ企業などがシミュレーションなどを立てているが、実際のところは市場の結果が違う方に転ぶこともある。ユーザーが実際にどう感じるか、疑問の答えは市場に浸透してからでないとわからない。ただ、その疑問の答えに少しでも近づくべく導入初日8月20日の都内数店舗のデータを検証し、21日に実戦を行ってきた。

8月20日午後6時30分、都内足立区の某店では設置された6台全てが満台。総大当り回数が50〜80回前後で、早くも設定が見抜けるか⁉︎とも思ったが、「ヴァルヴレイヴ」はスペック上正確な大当り確率を算出しにくいため、「なんとなく調子いい台があるな」程度でしかわからない。千代田区某店のデータでも正確な大当り確率を算出することはできなかった上に総回転数が3000〜6500と開きがあったため、データからの設定判別は難しい。ただ、グラフを見てみると5台中2台が安定した右肩上がりを描き、1日で120回に迫る大当りを引いていることから「無くはないのかも」といった印象を受けた。

さて、「ヴァルヴレイヴ」は正確な大当り確率を算出しにくいといったが、これについてはまずスペックと設定ごとの確率を見て欲しい。

項目 PF革命機ヴァルヴレイヴ
通常時大当り確率 1/159.8〜1/119.2
確変時大当り確率 1/50.0〜1/37.2
確変仕様 潜伏・リミットあり転落式
確変突入率 特図1・2共通:100%(転落1/773)
時短回数 1・9・18・100+α回(100回転以降の確変転落で時短終了、リミット到達時は100回)
リミット回数 16回

 

設定 低確率 高確率
設定1 1/159.8 1/50.0
設定2 1/154.2 1/48.2
設定3 1/150.7 1/47.1
設定4 1/147.3 1/46.0
設定5 1/140.9 1/44.0
設定6 1/119.2 1/37.2

このように通常時、確変中の双方で大当り確率に設定差があるが、確変突入率100%の転落式に加え潜伏があるために単純に右打ち中だけが確変(高確率中)だとは言い切れないのである。同様に時短100回+αに当選せず、潜伏して左打ちとなった時もどこで確変転落したか判別が難しいため、低確率時の大当り確率も正確には見抜けない。

このように「ヴァルヴレイヴ」は表面上の数値的な設定差は判別が難しいが、高尾の2機種とは異なり設定示唆演出が多く搭載されていて、中には確定演出も存在するとのことだ。演出面での設定判別となるとパチスロユーザーにも馴染みぶかいもので、パチンコへの流入にも期待出来るだろう。

では実際に遊技する中で設定を体感・判別することは可能なのだろうか? 実戦を行ったのでレポートさせていただく。

都内台東区上野の某店、開店の10時ピッタリに店に着くも並びは見当たらず、「ヴァルヴレイヴ」には誰もいない。一瞬、旧規則の「CRF革命機ヴァルヴレイヴ」と間違えたかと思ったが、無事に新規則「PF」の方を確保することができた。

朝一なので低確率である仮定で打ち出し、50回転を迎えたところで最初の設定示唆演出が発生。本機は左打ち中に50回転ごとに液晶下部の回転数カウンターにセリフが表示される。この内容によって設定を示唆しているとの事だ。50回転目では「調子はどう?」、100回転目に「わからないなぁ」と表示された。各種の攻略情報を見てもこれだけではなんとも判別がしづらい。このセリフでの示唆は確定系が出るか、かなり多くサンプルを集めないと決定的な要素とはなりえないだろう。

その後、203回転目に初当り。この時点で設定1の1/159.8を超えているが、断定はできない。大当りは4・6・10Rの振り分けがあり、時短も1・9・18・100+α回の振り分けになっている。1回目の当りは4R「革命の刻」(時短9回転)であったが、ここでついに設定に期待できそうな示唆が発生。時短9・18回転は「革命の刻」となり、専用演出から任意のものを選べるのだが、「特定の演出が上から○番目にあるとチャンス!」といった示唆があるようだ。この時は1回目にして設定2・4・6でのみ確認情報がある「V-ZONEが上から4番目」が発生。偶数設定に期待しながらもこの「革命の刻」は失敗し、左打ちに戻る。

Vzone

その後は特に大きな示唆が発生することがなかったが、15回転で4R「革命チャンス」(時短1回転)、3回転10R、83回転10R、21回転6Rと大きなハマりもなく大当りが続く。そして5回目の大当り後の革命の刻で、ついに演出成功し大当り。RUSHに突入することができた。ここまで6回の大当りを引いたが、朝一の1回を除けばほぼ潜伏確変中の大当りと感じられる。83回転での大当りが低確率じゃないかと言われれば、そうも感じられるが個人的には確変中であったと思う。と、なると平均としては高確率中の大当りが1/40程度に感じられ、6もあり得ると勘ぐってしまう。偶数設定だという先入観があることも影響しているだろう。

その後は100回転を超えるハマりもあったものの、順調にRUSH継続。ずっと確変が継続していたとするならばリミットとなる16回目の大当りを消化後、低確率と思われる時短100回転を消化中に引き戻し、再びRUSH継続し順調に次のリミットとなる32回目の大当りを迎えた。直後の時短でも再び引き戻したものの、1回継続後、116回転で転落し、実戦終了となった。これまでかかった時間は約3時間半。結果が約5000発の獲得となった。

肝心の設定判別だが、一度RUSHに入ってしまうと消化が早いために回転数をメモするだけで手一杯。確変中の大当り確率を計算するのは難しく、体感的判別になってしまう。今回のRUSH中は体感で1/40程度ではないかと予想していた。一方、朝の初当りを含めリミット引き戻しなど通常確率での大当りは計3回なので計算もしやすく、1/92という結果に。設定6の確率を上回っていて、偶数設定に期待できる演出が発生したために、設定6だと予想した。

終了

時間の都合もあり、設定6だと思いつつも実戦を終了し、この記事を書いている最中に改めて大当り確率を算出したのだが、通常中と思われる確率は1/92で変わらず。ただ、確変中と思われる中での確率は1/58.7となった。確変中確率は設定1を下回る数値のため、改めて設定4ではないかと考えている。

実際のところどの設定が入っていたのかは、このご時世知ることはできない。ただ、体感上では「下の方ではない、かといってこれが6だとしたら出玉率の割に速度が遅いな」と感じた。今回は偶数設定示唆が早くに出たために期待と先入観を持ち、継続遊技できたが、示唆も出ずハマりとRUSH突入スルーし続ければもちろん1時間程度で止めていたかもしれない。さらに言うと、3時間半の体感では設定6を感じつつ、計算してみると設定1以下の数値だったことから正確な体感は得にくいかもしれない。

結論を言うと、本気でやるなら状態を推測しながら細かく回転数と大当りを数えて確率を見つつも、実際には確定系演出が出なければなんとも言えないといったところだ。

ところで、大当り確率での設定判別をするなら高尾の「P弾球黙示録カイジHIGH&LOW ざわっ・・・Ver.」の方がいいと考えている。なぜなら、確変突入率・継続率がともに50%で確変に突入しなければ時短もついてこないからである。低確率、高確率がはっきりと判別できる。さらに驚きは大当り確率。低確の大当り確率が、設定Cは約1/199.9、設定Aは約1/99.9。ライトミドルと甘デジくらいスペック差があるので、かなり早い段階から判別が可能であるような気がする。こちらの動画を見ていただければわかるかもしれない。https://youtu.be/ba4pUzRK-8Y

長くなってしまったが、設定付パチンコをうまく運用してチャンスとするか、見送るかはお任せする。個人的には早い段階から導入を進めイメージ付けをしてもいいのではと考えている。