林秀樹「カネがないならアタマを使うしかないド底辺」

2018.01.13 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(144) 店長の仕事

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今日は1月14日、ここからの1月後半は例年かなりの稼働低下が見込まれます。そして例年、その対策として大型の入替(台数、版権モノ)が集中して行われる時期でもありました。しかし今年はそういった大型の入替を考えるような新機種の登場もないので、どうしてもこの先の見通しも暗くなってしまいます。そして大型の入替を考えるだけの体力のある店舗が厳しい状況ということは、ド底辺ホールはより一層厳しい状況だと思ってしまうかもしれません。

しかし元々ド底辺ホールは入替を柱にした営業とはなっていないのですから、そういった意味では「入替に頼れないこと」に対する影響は大手よりも少ないと考えられます。いかに現有戦力、武器を有効に活用するか、これが資金力の低いド底辺ホールに求められることです。「カネがないならアタマを使え」、2018年もこれを念頭に頑張りましょう。

今回は改めて「店長の仕事」について考えてみたいと思います。

店長の最大の仕事(「責務」と言ってもいいかもしれません)は、会社の求める利益を確保することです。店長は、利益を確保するために遊技機管理やコスト管理、人的資源管理などの業務をしていることになります。

このうち「遊技機管理」では、多くの店長は日々遊技機メンテナンスをしているわけですが、その業務のほとんどが「玉利を合わせることor利益率を合わせることor割数を合わせること」に費やされています。まさに「メンテナンス」です。

このうち特に現在主流となっているのは「玉利管理」です。しかし本来の意味での「玉利管理」をしているお店が非常に少ないと感じます。

「玉利管理」は、「設定した玉利になるように日々メンテナンスをすること」を指すのではなく、「業務の視点を稼働向上に向けること」を指しています。玉利管理とは、「一般小売業においては商品の利益が決まっている(決めてある)ので、業務の志向は販売個数を伸ばすことが中心になる」ということを、パチンコに応用したものなのです。

日々の出方は遊技客の特賞確率や継続回数に左右されるので玉利は必ずしもシミュレーション通りにはいかないものですが、それでもある程度の期間で考えれば理論値に近づきます(ちなみに一般小売であっても返品や破損、値引き、万引きなどで原価が上昇し利益が減少することがあり、こういった想定外のことがあれば販売個数を増やして計画利益の達成を目指すので、決して当初計画どおりの商品1個あたりの利益が得られるわけではないことはパチンコ店と同様です)。あとは計画した玉利で販売個数=稼働を増やすにはどうすればいいかを考えて実践していくこと、これが店長がしなければいけない重要な仕事です。

一般小売店ではとにかく「売上」が重視されます。その理由は「利益額が商品ごとに決まっているので、販売個数を増やせば必ず利益が増える」という考えからです。そのために配置場所や棚割り、客導線、商品の組み合わせ、POP訴求などを行います。そしてパチンコ店も同じです。玉利を設定したらその遊技機(コーナー)の稼働を伸ばすために機種配置や配列、客導線、誘導、POP訴求などを行う努力をすることで必ず利益は増えます。

これからは入替や遊技機ポテンシャルに頼ることができない時代になります。だからこそ日々の業務を遊技機管理中心ではなく、稼働中心に意識を変えて欲しいと思います。





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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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