新規則機、スペックだけでなく「試打による確認」を

2018.10.06 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(182) エース電研関西支社セミナー開催(2)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。10月17日(水)と18日(木)の両日、株式会社エース電研関西支社様が「業界環境の変化に合わせた改善のご提案」と題した展示発表会を開催することになっており、その展示会において私が「変化に対応するために」と題したセミナーを行います。第一部は遊技機環境の変化について、第二部は変化に対応するための考え方についてお話しする予定であり、そこで前回から3回に分けてセミナー内容を基にしたお話をさせていただいております。

前回確認したように新規則については大きく以下の4つで変更がされました。
① 試射試験において最低出玉率が設定されたこと
② 最高出玉率の上限が下げられたこと
③ 1回あたりのアタッカー開放回数上限が下げられたこと
④ パチンコに6段階の設定が認められたこと
このうち④の「パチンコに設定が付いたことの営業への展開」は前回お伝えいたしました。今回は残りの①~③について、これらが与える今後への影響についてお伝えいたします。

まず今回の規則改正で、1時間の最低出玉が33%と決められました(4時間では40%、10時間では50%。上記①の改正)。もちろん最低出玉というのは大当りを一度もしない状態なので、いわゆるベースのことを指しています。

ベースがこれまでよりもかなり高くなるのですから直接的な影響としては、玉単価の低下=台売上の低下という影響が出ます。これまでと同じ稼働で同じ利益額(台粗利)を確保しようとすると利益率が上がることになるので、利益の確保が難しくなることは予想できます。

しかし影響はそれだけではないです。同時に最高出玉率の上限も下げられているので(上記②の改正)、大当たりでの払い出しがかなり下がることになりました。1時間(アウト6,000)の33%がベースに割り当てられるので大当たりで払い出せるのは6,000×(220%-33%)=11,220までとなります。そしてこれは差玉ではなく払い出し個数なので、差し引きでお客様が大当たりで得られるは11,220-6,000=5,220個が上限(1時間で)となります。こうなると遊技中のお客様のイメージは、
・お金を使うスピードは遅くなったが、出るスピードが遅い
となります。

さらにこれに追い打ちをかけるのが③の大当たりラウンドの上限が10Rとなったことで、1回あたりの獲得玉が減るということは大当たりに対する期待値の低下を招きます。

総じてこれらの新規則によりお客様の遊技動機が大きく低下することは避けられないと思います。しかしそれは「射幸性」という遊技動機が低下するのであり、それ以外の面に影響することはないです。物事には必ず両面あり、今回の件でいえば「射幸性の低下というマイナスがあり、客滞時間の上昇というプラス面」もあります。

これまでの遊技機は最大MYの訴求、つまり射幸性の訴求が主となっていました。今後は「パチンコを遊ぶ、その過程」を意識できる機種が増えてくると予想されます。新機種を選ぶ際にはスペックのことだけでなく、これまでよりももっと「試打による遊技性の確認」が重要になるでしょう。

今、まさにパチンコ遊技そのものが変わろうとしています。そしてこれは決して可能性があるというレベルのものでなく、近い将来(2年後)に確実に到来する未来であり、その時に過去にとらわれて変化に適応できないものは淘汰されます。その時にできるだけ軟着陸できるように、今のうちから少しずつ、射幸性に頼る営業から「遊技の楽しさ、お店自体の力」に頼る営業にシフトしていくべきだと思います。

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■ 10/17(水)、18(木)、エース電研関西支社展示会セミナー開催
遊技機規則改正、高幸性遊技機撤去、受動喫煙防止法の施行、人手不足問題等、業界を取り巻く環境変化のスピードは激しさを増しています。そこで設備面でこれらに対応することを支援すべく10/17(水)、18(木)の2日間、エース電研関西支社において「業界環境の変化に合わせた改善のご提案」と題した展示発表会を開催いたします。また当日は特別セミナーも同時開催いたします。
講師:アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 林 秀樹
内容:
(第1部)遊技機が変わる、その対応(60分)
(第2部)変化に対応するための考え方(60分)

詳細はエース電研関西支社各担当までお願いします。




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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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