大手法人機械対策課SH@CKの新台講座「P海物語IN JAPAN2」

2019.03.24 / 連載

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【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座

今週は4月21日導入開始予定「Pスーパー海物語IN JAPAN2」(三洋)全国70,000台

業界オリジナルコンテンツの代表「海物語」シリーズの最新作がいよいよ新規則機、しかも『設定機能搭載』でリリース開始!「海物語」シリーズの原点ともなる「初代ギンギラパラダイス」ぶりの設定搭載機で、ギンパラ当時のような盛況だった市場となる事に期待したい!
本機は海シリーズの中でもまだまだ新参の『JAPAN』シリーズ第2作で、設置店舗も未だに多い初代「JAPAN」のリリースされた2015年以来の新作だ。現市場ではなかなか受け入れ難い「設定機能」がユーザーにどう映るのか、海シリーズでも“挑戦”をウリにした『JAPAN』だからこそ興味が惹かれるところだ。

そんな本機のスペックはミドルLOOPタイプとなり、冒頭でも触れた通り設定機能が搭載されている。設定はHIGHとLOWの2段階設定。大当り確率はHIGH:1/299.2、LOW:1/276.5となっており、おおよその機械出率はHIGH:98.9%、LOW:103.8%と大きな幅は無い仕様。
前作同様に8個保留の特図1・2共通で確変継続率は「60%」、時短回数は「通常当り後80回」になるのだが、大当り確率に設定差ある事で時短中の引き戻し率が若干異なってくる!
大当りは「10R(約1,350個):82%」がメインで、40%の通常は必ず「10R」獲得となるのだが、海シリーズでは珍しくメインラウンド以外で18%の振り分けになっている。メイン以外の大当たりは「2R確変(約270個):12%」「5R(約675個):6%」。

演出面において、シリーズを踏襲した日本全国のご当地演出が豊富になっており、「JAPANと言えば」なギミックのバーサライター告知も可動構造と種類が豊富に進化した!
そしてシリーズでは初のRTC機能、2時間に1回訪れる『アイマリンライブRTC』は設定機能に合わせて若年層をターゲットにした機能と言えるだろう!

本機「Pスーパー海物語IN JAPAN2」の訴求ポイントは『コンテンツ』となるだろう!ターゲット層に寄って対応すべきであり、メインターゲットが「現在の海ユーザー」であるため〝新規則機〟や〝設定付き〟などの文言は蛇足となる可能性が高い!『海シリーズ最新作』だけでも十分だろう!
設定付きだけに若年層の取り込みには不安な点もあり、本来還元したいユーザーの見極めには注意が必要となる。とはいえ、出率としては魅力の薄い性能である事から杞憂となる可能性も大いにある!

目標台数こそ7万台とメイン機の位置付けだが、実状は販売に大苦戦しているとも聞いている。実際の市場導入台数にもよるが、状況によっては海でありながら希少性が出る可能性もある点を注視しておくべきだろう。

余談にはなるが、本機に関しては非常に残念と言わざるを得ないのが本音だ。業界きってのコンテンツだけに、スロット市場で全く受け入れられていない2段階設定の販売を当初は懸念する声が多く、「設定2段階での販売は行わない」などの判断で安堵したホール関係者が多かった。一転、このような形で販売が開始されてしまい、海シリーズでは異例の大苦戦する流れとなった事は業界屈指のメーカーが顧客を見ていない事に他ならない。
実際に導入される以上は稼働に期待したい気持ちも強いが、開発のベースを作る意味からも3~4段階の設定は欲しかったのが本音である。スロットにおいても4段階設定はユーザーから受け入れられており、『EASY or HARD』なんて選択肢が一般受けするとは思えない。ただし、本機においては100%ラインを跨ぐ上下設定である事から、“設定2 or 設定3”といったところであり、設定を狙うゲーム性の枠から外す事が長期稼働に繋がることだろう!

合わせて、とあるユーザーアンケートでは「遊技理由」として、理解度の高いユーザーは『一撃性などのスペック』、理解度の低いユーザーは『コンテンツ』との回答があったようだ。『スペック』においては当然ギリギリを攻める必要はあるものの、育成どころか落ちていく傾向にあるのは言うまでもない。である以上は『コンテンツの育成』が〝やれる事〟の大きな一つとなるだろう!
そろそろメーカーもユーザー好みのコンテンツを理解する必要があるだろうし、若年層のユーザー離れが現状も将来的にも問題となっている以上はライトユーザーの遊技意欲をそそる機械開発に注力すべきだろう。

メーカーの中では未だに高年齢の幹部が開発基準の指揮を執っているみたいだが、〝コンテンツ業界〟となった現在の業界を理解していない人間がいつまでも前線で戦える時代では無い事に気付くべきだ!
「Re:ゼロ」「ダンまち」のヒットが予想出来ないレベルの企業の開発が報われる時代はまだ先となるだろう……。いつまでも一つのコンテンツに固執する事なく、「SAO」「とある」「Fate」「AW」「オバロ」「カケグルイ」「ヨルムンガンド」「レクリエイターズ」「アルドノア」「転スラ」など、アニメ2クール分以上放映されていて、質も高く親和性の高めなコンテンツをお奨めする。そして、開発の手間が少ないからと3D系ゲームコンテンツに手を出しがちである点も、親和性が低いことを過去の実績から認識するべきだろう。
カジノでは気軽に連携の取れないアニメ業界に対し、パチンコ業界が密に連携する事で、業界のイメージ払拭という点でプラス要素になる可能性が高いだろう!

年配層が「ポケGO」をやる時代である。そのような時代背景をそろそろ認識しなければ、メーカー淘汰が続いてしまう時代がそこまで来ている。

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