前会長が少なくとも22億円を不正流用と報告/ユニバーサル

2017.08.31

8月30日、ユニバーサルエンターテインメントは元取締役会長である岡田和生氏と元取締役管理本部長による不正の疑いがある行為について、特別調査委員会による調査結果を同社ホームページにて発表した。

これは6月8日に同社から発表されていた「特別調査委員会設置のお知らせ」で、「岡田会長(当時)と取締役の1人が、2年前に適正な社内決裁なしに第三者に約20億円を貸し付け、不正な行為が行われた疑いがある」とした疑惑を、弁護士3名によって構成された特別調査委員会が調査、その結果をまとめたものになる。なお、この疑惑を発端に、6月29日に開催された定時株主総会で岡田氏は「事実上の解任」として取締役から外された。また5月12日には同社の筆頭株主である同族企業オカダ・ホールディングスの取締役職も解かれている。

報告書では3点の不正行為について報告されており、まず1点目は、岡田氏が2015年にオカダ・ホールディングスから第三者に貸し付けた約20億円を回収するため、また美術品代金の個人的な支払いに充てるために、当時の取締役管理本部長の関与でユニバーサルエンターテインメントの香港子会社から第三者の個人企業に20億円の貸し付けを行わせたとしている。2点目に、岡田氏は同年にユニバーサルエンターテインメントの香港子会社に2億円の小切手を作成させ現金化させた。さらに3点目として、同社の韓国孫会社の預金を無断で、同族企業の土地購入資金の担保として提供させたと、それぞれの不正行為について報告。少なくとも22億円の損害をユニバーサルエンターテインメントに与えたとし、「自己の個人的な利益を図っているものであり、公私混同も甚だしく、上場企業の取締役として当然有すべき倫理観が乏しかった」と認定している。

ユニバーサルエンターテインメントは報告書を受け、「岡田氏及び当時の取締役管理本部長に対する然るべき措置を検討してまいります」とのコメントを発表している。

オカダ・ホールディングス, ユニバーサル, 岡田和生